小笠原記念札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリニカルトキシコロジスト、日本腎臓学会および日本透析学会専門医、指導医。
1977年、札幌医科大学卒、青森県立病院、国立西札幌病院、東京女子医科大学腎臓病総合医療センター助手、札幌徳洲会病院腎臓内科部長、札幌東徳洲会病院腎臓内科・血液浄化センター長などを経て、2014年より札幌中央病院腎臓内科・透析センター長などをへて現職。
専門領域:急性薬物中毒患者の治療特に急性血液浄化療法、透析療法および急性、慢性腎臓病患者の治療。
所属学会:日本中毒学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本内科学会、日本小児科学会、日本アフェレシス学会、日本急性血液浄化学会、国際腎臓学会、米国腎臓学会、欧州透析移植学会など。
数年前、私が経験した症例を報告する――。 患者さんは21歳の男性。約5年間にわたり「うつ状態」だったため、精神科クリニックで抗うつ薬による治療を受けていた。ある日、市内の薬剤店よりカフェイン製剤(市販名エスタロンモカ:1錠中カフェイン100mg含有)を購入し、110錠(…続きを読む
前回は、有毒植物であるイヌサフランを食用植物であるギョウジャニンニクと見誤って食べてしまい、食中毒となり、最悪のケースでは死亡例も認められた論文を紹介した(参考:ギョウジャニンニクに酷似した「イヌサフラン」による食中毒で今年も死者が!)。 同じように、美しい花を咲かせる…続きを読む
今年(2017年)5月15日、北海道富良野地方に住む母親と娘夫婦が、ギョウジャニンニクを採集するつもりが誤ってイヌサフランの葉を持ち帰り、家で炒めて食べ、下痢や嘔吐を訴えて翌日病院に救急搬送された。80歳代の母親は、摂食後、2日目に急死。富良野保健所は、イヌサフランに含有す…続きを読む
2017.05.26
私が10年ほど前に経験した、抗うつ薬を大量服用して服用後短時間で死亡した患者さんについて紹介しよう――。 約2年前よりうつ病と診断され、某メンタルクリニックで治療していた26歳の女性。抗うつ薬アモキサピンを1日用量150mg、毎回2週間分処方されていた。 同棲してい…続きを読む
3月24日、名古屋地方裁判所は、「タリウム事件」の名古屋大学の元女子大生に、求刑通りの無期懲役の判決を下した――。 この事件は、当時、高校2年生だった被告が、「中毒症状を見てみたい」という動機で、中学の同級生女性と高校の同級生男性に、それぞれ0.8gと1.2gの硫酸タリ…続きを読む
数年前の真冬に北海道で体験した出来事。 生活保護を受けていた40代男性は独居中で、2年前より統合失調症の治療のため精神科外来で向精神薬と催眠薬などの薬物を処方されていた。 ある寒い夜に自殺企図して、これらの薬(フェノバルビタールやハルシオンなどの催眠薬、テルネリンな…続きを読む
現在、我が国では、食生活の欧米化、運動不足などが誘因となって、糖尿病患者が爆発的に増加している。2012年の国民健康・栄養調査によると、糖尿病患者は実に950万人にも達しており、治療を受けていない人も含めると、その数はさらに多いとされている。 今回は、最近、筆者が治療し…続きを読む
大麻に関するニュースが後を絶たない――。 昨年10月、「医療用大麻」の必要性を訴えていた元俳優の高樹沙耶(本名・益戸育江)被告が、沖縄県石垣市の自宅で乾燥大麻を所持していたとして、大麻取締法違反に問われた。1月23日の初公判で、高樹被告は「私が所持している物ではない」と…続きを読む
ロシアのシベリア地方にあるイルクーツクで、サンザシ(山査子)の香りがすると表示されたメタノールを使用した入浴剤を酒代わり飲んだ49名が死亡したという(時事=AFP12月20日付)。 入浴剤は1ボトル25mlが40ルーブル(日本円で約76円)と、ウオッカの半値で購入でき、…続きを読む
今年9月、横浜市の大口病院で点滴を受けた88歳の入院患者など2名が相次いで死亡した事件が発生し、現在も警察の捜査が行われている。 その後の捜査で、混入されたのは「ヂアミトール」という外用殺菌消毒剤(成分は「界面活性剤」のベンザルコニウム塩化物)であったことが、さらに、未…続きを読む
2014年10月、北海道足寄町の温泉旅館旅館「オンネトー温泉 景福」で、入浴中だった宿泊客の男性が「硫化水素ガス中毒」に見舞われ、現在も脳機能障害を併発していることが今年になって環境省の調査で判明した。 硫化水素は水素の硫化物で、腐卵臭のある無色の有毒気体だ。硫黄を含む…続きを読む
改正薬事法(平成26年6月)が施行されたことによって、インターネットを介して個人レベルで医薬品を誰でも自由に購入することができるようになった。 「時間をかけて病院に行き、診察を受けて処方薬を受け取る手間が省ける」「自宅で簡単に手に入る」「市中の薬局にはない薬がかなり安く…続きを読む
ロシアのシベリア地方を中心に爆発的に広まった自家製合成麻薬「クロコダイル(デソモルヒネ)」。その恐ろしさはこれまでも警鐘を鳴らしてきた。しかし、実際に中毒者の外見がどんどん崩れゾンビ化する様子がその恐ろしさを如実に物語っている。 医師の処方箋なしで、安価な感冒薬コデイン…続きを読む
ロシアのシベリア地方を中心に爆発的に広まった自家製合成麻薬「クロコダイル(デソモルヒネ)」――。 医師による処方箋がなくても100ルーブル(250円程度)ほどの安価で入手できる咳止め薬「コデイン」とガソリンを混ぜるだけで、化学的知識のない素人でも自宅などで容易に製造でき…続きを読む
ますますグローバル化する世界の中で、日本人スポーツ選手の海外遠征の機会は増加している。それにともない、外国で大麻や覚せい剤、危険ドラッグに手を染めたアスリートたちの問題が報じられるようにもなった。 2008年6月、大相撲のロシア人兄弟力士である露鵬と白露山が、米国ロサン…続きを読む
絶対あってはならない私が恐れていた事件が多発している。こともあろうに、人々の病気の治療や健康の保持・増進にかかわらねばならない医師が、危険ドラッグや覚せい剤、麻薬を個人的に輸入していたとの報道が続出しているのだ。 5月10日、慶応義塾大学病院の49歳の麻酔科医が、有害物…続きを読む
2016年4月、北海道で44歳の男性パート従業員が、インターネットを利用して英国より2度にわたってメチオプロパミン6.2g(1万1300円相当)を国際郵便で羽田空港に輸入し、逮捕されたとの記事が地方紙に掲載された。 メチオプロパミンとは、覚醒剤メタンフェタミンの化学構造…続きを読む
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前編『コロナだけじゃない。世界中で毎年新たに3億7000万人超の性感染症』
毎年世界中で3億7000万人超の感染者があると言われる性感染症。しかも増加の傾向にある。性感染症専門のクリニックとしてその予防、検査、治療に取り組む内田千秋院長にお話を伺った。
あおぞらクリニック新橋院院長。1967年、大阪市…
(医)スターセルアライアンス スタークリニック …
ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会…