禁止薬物を輸入に逮捕される医師が続出!(shutterstock.com)
絶対あってはならない私が恐れていた事件が多発している。こともあろうに、人々の病気の治療や健康の保持・増進にかかわらねばならない医師が、危険ドラッグや覚せい剤、麻薬を個人的に輸入していたとの報道が続出しているのだ。
5月10日、慶応義塾大学病院の49歳の麻酔科医が、有害物質である亜硝酸イソプロピルが含まれている危険ドラッグ「RUSH」の小瓶10本を外国より輸入したとして、医薬品医療機器法違反などの疑いで神奈川県警に逮捕れた。
容疑者の麻酔科医は「危険ドラッグであるとの認識がなかった」と述べているという。
RUSHは数年前までは国内のヘッドショップで売買されており、若者を中心に爆発的に吸引者が増えた。この危険ドラッグを吸引すると酩酊感が得られるが、めまい、呂律難、手足のしびれ感、吐き気などの症状が出現し、最悪の場合は呼吸が抑制され死亡するケースもある。
私もこの連載の第6回で、ラブホテルで20歳代の女性がRUSHを吸引して緊急搬送された症例を報告をした。
医療関係者が不法薬物に関与するとは言語道断
危険ドラッグのショップは、取り締まりの成果などによって、現在は存在しなくなった。しかし、インターネットの普及によって、いつでも誰でも海外から購入できる状況は変わっていない。
なかでも医学や薬学の知識を有し語学力もある医師は、危険ドラッグ関係のサイトで簡単に輸入手続きができることだろう。私もある英国の輸入サイトにたどり着き、いとも簡単に購入手続きが可能であることを以前より認識していた。
医師は利用してほしくないと願っていたが、この麻酔科医は何故輸入したのか動機は不明であるものの、医療関係者が不法薬物に関与することは言語道断である。