連載「恐ろしい危険ドラッグ中毒」第21回

遠征先の外国で麻薬に手を染めるアスリートたち! アメリカでは大麻が違法ではない州もあるが…

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
130432-2.jpg

アメリカでは大麻が違法ではない州も…(shutterstock.com)

 ますますグローバル化する世界の中で、日本人スポーツ選手の海外遠征の機会は増加している。それにともない、外国で大麻や覚せい剤、危険ドラッグに手を染めたアスリートたちの問題が報じられるようにもなった。

 2008年6月、大相撲のロシア人兄弟力士である露鵬と白露山が、米国ロサンゼルスでの興行遠征中に、黒人歌手からマリファナを購入して吸引。帰国後も使用を続け、同年9月、尿検査によって強陽性反応を呈したため、日本相撲協会は彼らに廃業処分を下した。 

 また、2015年11~12月、全日本スキー連盟のスノーボード強化指定選手2名が、コロラド州で合宿中に大麻(マリファナ)を入手・吸引したことが発覚し、帰国後に無期限の競技出場停止処分となった。しかも彼らは、当時、未成年だった。

 ちなみに大麻は、米国連邦法では違法とされているものの、州によっては合法だ。コロラド州では、2013年1月より大麻の栽培・所持が合法化され、翌年には販売が解禁された。21歳以上であれば1オンスまで所持が可能であり、6本までの栽培も許可されている。大麻の合法化で、コロラド州では年間400万ドルもの税収が期待できるとしているとのこと。

  2015年、日本人の海外渡航者数は1747万人にもなる。渡航先は、中国と韓国が各350万人、米国が200万人以上、香港が120万人以上――。

 私も今までに何度も渡米したことがある。コロラド州デンバーでは、宿泊先のホテルに併設されたスポーツバーでくつろいでいると、黒人男性が近づいてきて「マリファナを使ってみないか?」と勧められたこともある。当然、断ったが、このような身近に危険な誘惑があることを渡航者は十分注意すべきであろう。

 また、ルイジアナ州ニューオーリンズの旧市街にあるドラッグストアでは、ハーブやバスソルトと称して、明らかに危険ドラッグと疑われる商品が陳列されていた。手にとって調べてみたが、商品の成分や使用法などの表示はなかった。さらにテキサス州サンアントニオでは、スーパーマーケットの一角に危険ドラッグとおぼしき商品が多数陳列されていた。

横山隆(よこやま・たかし)

小笠原クリニック札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリニカルトキシコロジスト、日本腎臓学会および日本透析学会専門医、指導医。
1977年、札幌医科大学卒、青森県立病院、国立西札幌病院、東京女子医科大学腎臓病総合医療センター助手、札幌徳洲会病院腎臓内科部長、札幌東徳洲会病院腎臓内科・血液浄化センター長などを経て、2014年より札幌中央病院腎臓内科・透析センター長などをへて現職。
専門領域:急性薬物中毒患者の治療特に急性血液浄化療法、透析療法および急性、慢性腎臓病患者の治療。
所属学会:日本中毒学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本内科学会、日本小児科学会、日本アフェレシス学会、日本急性血液浄化学会、国際腎臓学会、米国腎臓学会、欧州透析移植学会など。

横山隆の記事一覧

横山隆
「がん免疫療法」の情報が氾濫~正しい知識を得るのが<がん克服>のカギ
インタビュー 進行がんは「免疫」で治す 第1回 昭和大学教授 角田卓也

<第4の治療>として注目されている「がん免疫療法」。がん免疫療法の最前線で研究を続けてきたエキスパートである昭和大学の角田卓也教授に、その種類と効果、実績などを元に、一般の人が「正しく治療法を選ぶための知識」について訊いた。

理学療法士。日本で数年勤務した後、豪・Curti…

三木貴弘

精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年…

里中高志

滋賀医科大学社会医学講座(法医学)教授、京都府立…

一杉正仁