2015年12月現在、日本人の糖尿病患者は316万6000人(shutterstock.com)
厚生労働省の調査によれば、2014年の日本人の平均寿命は男性80.50歳、女性86.83歳――。
高度な医療システムの革新、公的保険制度の運用、健康的な食生活や栄養管理、国民の健康意識など、長命長寿を支えるファクターに恵まれていることから、日本は世界一の長寿国になった。
一方、日本人の死因は、がん(悪性新生物)、心疾患(心筋梗塞、狭心症など)、脳血管疾患(脳卒中、脳梗塞など)が上位を占める。
とりわけ糖尿病は、最近の研究によると、がん、心疾患、脳血管疾患の発症リスクを高める重篤な難病だ。しかも糖尿病が引き金になって発症する腎不全は、血糖コントロールの不良が続けば、全身の免疫力やホメオスタシス(恒常性)が低下するため、肺炎などの呼吸器疾患を合併する恐れがある。
70歳以上では男性の4人に1人、女性の6人に1人が糖尿病有病者
2015年12月の厚生労働省『平成26年患者調査の概況』によれば、国内の糖尿病の患者数は316万6000人。2011年調査の270万から46万6000人も増え、過去最高を記録。2015年11月の国際糖尿病連合(IDF)の『糖尿病アトラス 第7版』では患者数720万人となっている。
生活習慣病関連の患者数は、高血圧性疾患1010万8000人、高脂血症206万2000人、心疾患172万9000人、がん162万6000人、脳血管疾患117万9000人。高血圧性疾患に次いで糖尿病が急増している状況が読み取れる。
2015年12月の厚生労働省『平成26年国民健康・栄養調査』によれば、糖尿病有病者(HbA1c値6.5%以上の糖尿病が強く疑われる人)の割合は、男性15.5%、女性9.8%。20〜79歳の8.8%、11人に1人が糖尿病有病者だ。50歳を超えると増えはじめ、70歳以上では男性の4人に1人(22.3%)、女性の6人に1人(17.0%)が糖尿病に悩まされている。
2015年11月の厚生労働省『平成26年人口動態統計の概況』によれば、糖尿病による死亡数は年間1万3669人(男性7265人、女性6404人)を数えている。糖尿病による死亡は、糖尿病の合併症や糖尿病に起因する疾患によって死亡するケースが多い。