連載「乳酸菌で腸内環境を改善、がんも予防!」第8回

乳酸菌で免疫力アップ! NK(ナチュラルキラー)細胞を活性化して感染症やがんから身を守る

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
75633-2.jpg

乳酸菌でNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させよう(shutterstock.com)

 これまでは、乳酸菌についての基礎的な話だったが、では実際、乳酸菌にはどんな効果があるのか、これからはもう少し具体的に紹介していこう。

 我々の体は病原菌やウイルスなど様々な外敵、あるいは、がんなどの病気から身を守るために免疫という仕組みを持っている。その免疫システムの多くを担っているのは、免疫細胞である白血球だ。免疫細胞にはいろいろな種類があり、その種類ごとに病原体の発見や情報の伝達、あるいは病原体そのものを攻撃するなどその役割や働きが異なっている。

 たとえば、ウイルスや細菌を見つけ、どれがどんな敵なのかといった情報をキャッチして他の免疫細胞に伝える樹状細胞、その異物をアメーバ状に包み込んで丸ごと食べて消化してしまうマクロファージ(大食細胞)、ウイルスや体内に発生したがん細胞などをキャッチするやいなや攻撃をしかけるNK(ナチュラルキラー)細胞などが代表的だ。

 その中でも、NK細胞は最前線で働く細胞で、独自に体内をパトロールし、ウイルスやがん細胞を見つけると、容赦のない攻撃をしかける。そのため、このNK細胞がどれだけの強さを持って働いているかを「NK活性」と呼び、免疫力を測るひとつのバロメータとなっている。

 1人の人間が持つ免疫細胞の数は、何千億個にも及ぶとされ、血液を通じて全身をめぐっているが、その6〜7割は腸に存在している。我々が健康でいられるのは、これら免疫細胞のおかげである。

免疫力が低下する原因とは?

 我々の体を守っている免疫力が低下すると、たとえばインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなる。免疫力が低下する原因としては、まず、加齢があげられる。免疫力は20代をピークとして、年齢とともに下がっていく。これは、年をとるにつれNK活性が落ちていくためだ。

 そのほか、過労や睡眠不足、強いストレス、生活習慣の乱れ、栄養バランスの悪い食生活なども免疫力を低下させる要因としてあげられる。免疫力を低下させないためには、しっかり睡眠をとって、疲れをためない、上手にストレスを解消する、規則正しい生活をおくる、バランスのよい食事を心がけるといったことがまず基本となる。

 しかし、ストレスフルな現代においてそんな生活を実行するのは、なかなか難しい。

後藤利夫(ごとう・としお)

新宿大腸クリニック院長。1988年、東京大学医学部卒業。92年、東京大学附属病院内科助手。「大腸がん撲滅」を目標に独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法を開発。大腸内視鏡40000件以上無事故の大腸内視鏡のマイスター医師。一般社団法人・食と健康協会顧問。著作に『あなたの知らない乳酸菌力』(小学館)、『その便秘こそ大腸ガンの黄信号』(祥伝社)、『腸イキイキ健康法』(主婦と生活社)、『腸をきれいにする特効法101』(主婦と生活社)、『腸いきいき健康ジュース』など多数。大腸がんのインターネット無料相談も実施中。
新宿大腸クリニック
公式HP http://www.daicho-clinic.com

後藤利夫の記事一覧

後藤利夫
眠れなければ、あえて「寝床から出ろ!」~ 良い睡眠を生む<起きている時間の過ごし方>
インタビュー「ビジネスパーソンのための睡眠学」第3回 働安全衛生総合研究所・産業疫学研究グループ部長:高橋正也氏

第1回「ビジネスパーソンのための睡眠学〜『4時間でも、ぐっすり眠れば大丈夫』は都市伝説」
第2回「すべての不眠に睡眠薬が効くわけではない~寝付けなければ『睡眠日記』で原因を探れ!」
第3回「眠れなければ、あえて『寝床から出ろ!』~ 良い睡眠を生む<起きている時間の過ごし方>」
勤務時間もプライベートも、パフォーマンスを高く保つために欠かせないのは、なんといっても健全な睡眠である。しかし、いまの日本には、睡眠時間を確保できなかったり、うまく眠れない人があまりにも多すぎる。ビジネスパーソンが正しく睡眠を取るためにはどうすればいいのか?労働安全衛生総合研究所で睡眠を専門に研究する産業疫学研究グループ部長の高橋正也氏に聞いた。

シカゴ大学医学部内科・外科教授兼個別化医療センタ…

中村祐輔

藤田保健衛生大学医学部第一病理学教授。慶應義塾大…

堤寛

福岡記念病院救急科部長。一般社団法人・福岡博多ト…

河野寛幸