乳酸菌でNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させよう(shutterstock.com)
これまでは、乳酸菌についての基礎的な話だったが、では実際、乳酸菌にはどんな効果があるのか、これからはもう少し具体的に紹介していこう。
我々の体は病原菌やウイルスなど様々な外敵、あるいは、がんなどの病気から身を守るために免疫という仕組みを持っている。その免疫システムの多くを担っているのは、免疫細胞である白血球だ。免疫細胞にはいろいろな種類があり、その種類ごとに病原体の発見や情報の伝達、あるいは病原体そのものを攻撃するなどその役割や働きが異なっている。
たとえば、ウイルスや細菌を見つけ、どれがどんな敵なのかといった情報をキャッチして他の免疫細胞に伝える樹状細胞、その異物をアメーバ状に包み込んで丸ごと食べて消化してしまうマクロファージ(大食細胞)、ウイルスや体内に発生したがん細胞などをキャッチするやいなや攻撃をしかけるNK(ナチュラルキラー)細胞などが代表的だ。
その中でも、NK細胞は最前線で働く細胞で、独自に体内をパトロールし、ウイルスやがん細胞を見つけると、容赦のない攻撃をしかける。そのため、このNK細胞がどれだけの強さを持って働いているかを「NK活性」と呼び、免疫力を測るひとつのバロメータとなっている。
1人の人間が持つ免疫細胞の数は、何千億個にも及ぶとされ、血液を通じて全身をめぐっているが、その6〜7割は腸に存在している。我々が健康でいられるのは、これら免疫細胞のおかげである。
免疫力が低下する原因とは?
我々の体を守っている免疫力が低下すると、たとえばインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなる。免疫力が低下する原因としては、まず、加齢があげられる。免疫力は20代をピークとして、年齢とともに下がっていく。これは、年をとるにつれNK活性が落ちていくためだ。
そのほか、過労や睡眠不足、強いストレス、生活習慣の乱れ、栄養バランスの悪い食生活なども免疫力を低下させる要因としてあげられる。免疫力を低下させないためには、しっかり睡眠をとって、疲れをためない、上手にストレスを解消する、規則正しい生活をおくる、バランスのよい食事を心がけるといったことがまず基本となる。
しかし、ストレスフルな現代においてそんな生活を実行するのは、なかなか難しい。