善玉菌は加齢とともに減ってくる(shutterstock.com)
私たちの腸内環境を整えてくれるビフィズス菌。善玉菌の代表だが、加齢とともに減ってくる。これは自然現象だが、最近、若くても腸内環境が悪化している人が増え始めている。
これは現代日本人の食生活や生活習慣全体の問題が関わっている。
腸内細菌はこんなふうに変化する
健康な人間の腸内細菌の変化を見ていくと、胎児は無菌の状態に保たれている(図1を参照)。出生してすぐの段階では、大腸菌が多いがすぐにビフィズス菌が優位になる。特に授乳が始まると、母乳にはビフィズス菌が好物とする糖分が多く含まれるため、ビフィズス菌は一気に増えていく。赤ちゃんの便は黄色っぽく、匂いもない。これはビフィズス菌が腸内で優位である証拠である。
図1(©光岡知足・1972)
その後、離乳食が始まると、腸内細菌は徐々に大人の腸内細菌の環境に近づいていく。すなわち、ビフィズス菌は少し減り、バクテロイデス・ユウバクテリウムや嫌気性連鎖球菌などいわゆる日和見菌や様々な菌が増えてくる。
やがて、青年期から老年期に入ると、年とともにビフィズス菌は減り、かわりにウェルシュ菌などの悪玉菌が増えてくる。つまり、加齢とともに腸内環境は悪化してくる。これは、加齢現象なので、避けようがないが、最近、若くても腸内環境が悪化している人が増えているという。