1999年に男女共同参画社会基本法が制定され、女性の社会進出は促進されました。さらに安倍政権は、「一億総活躍社会」を打ち出しています。
では、医師の世界における女性の進出はどうなっているのでしょうか? 日本とアメリカの現状を比較してみましょう。
女医の割合は日本が約20%、米国が約33%!
日本の医師総数は、2012年末の時点で30万3268人。女性医師は5万9641人、全体の19.7%に過ぎません。1965年が全体の9.3%だったことを考えると、その割合は2倍以上になっています。しかし、依然として日本の医師の世界は「男性中心」だといえるでしょう。
他方、アメリカの医師総数は、2015年10月の時点で91万4720人。女性医師は30万434人、全体の32.8%を占めます。1970年の時点では全体の7.6%だったので、45年間で4.3倍以上に伸びたことになります。
女性の医学生は日本が30%前後、アメリカが46.8%
医師を育成する医学部の新設が相次いでいます。2016年度には東北薬科大学に、2017年度には国際医療福祉大学に、それぞれ医学部新設が認可されました。1979年、琉球大学に医学部が設置されて以降、実に37年ぶりの新設です。医学部の新設によって、今後、女性医師の数も増えるのでしょうか?
それを占う意味でも、大学医学部における男女比率を見てみましょう。日本では医学部入学者に占める女性の割合は30%を超えて推移しています。医師国家試験合格者に占める女性の割合も30%を超えており、徐々に女性医師が増えています。他方、アメリカは、2014〜2015年の統計を見ると、全米のメディカルスクールに8万5260人の学生が在籍し、女性は3万9888人で全体の約46.8%、ほぼ半数に達しています。