消費者庁が「乳児用液体ミルク」を「特別用途食品」として許可する基準を新設

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

乳児用の液体ミルクの価格は粉ミルクの約3倍に?

 ただし、ネックがある。乳児用液体ミルクは粉ミルクに比べ、製造原価が粉ミルクの約2倍、設備コストや流通コストが乗ると約3倍に膨らむので、割高になる。飲み残しを放置すると、雑菌が繁殖しやすい衛生面のデメリットもある(朝日新聞:1995年4月19日「欧米のお母さんに人気 乳児用液体ミルク」)。

 したがって、乳児用粉ミルクの市場シェアが高い明治乳業などの大手乳業メーカーは、製造技術があっても、利益率が低い乳児用液体ミルクの製造・販売に二の足を踏んできた。一方、アメリカをはじめ欧米諸国は、乳幼用液体ミルクの製造・販売に国家予算を投入している国も多い。

 阪神・淡路大震災や東日本大震災のような大規模災害が発生する度に、乳児用液体ミルクの国内販売を求める市民活動が立ち上がり、2015年5月に日本小児科学会は関係省庁に「災害時の液状ミルクと使い捨て哺乳瓶の確保」を要望している。全国の母親たちが「乳児用液体ミルクプロジェクト」を発足し、厚労省に提言する動きもある(毎日新聞:2015年12月5日)。

 育児ノイローゼやワンオペ育児などに悩む子育て世代にとって、乳児用液体ミルク解禁が及ぼす影響は大きい。今後の動向に注意しよう。 
(文=編集部)

jousetsu-bannar.jpg
バナー1b.jpeg
HIVも予防できる 知っておくべき性感染症の検査と治療&予防法
世界的に増加する性感染症の実態 後編 あおぞらクリニック新橋院内田千秋院長

前編『コロナだけじゃない。世界中で毎年新たに3億7000万人超の性感染症』

毎年世界中で3億7000万人超の感染者があると言われる性感染症。しかも増加の傾向にある。性感染症専門のクリニックとしてその予防、検査、治療に取り組む内田千秋院長にお話を伺った。

nobiletin_amino_plus_bannar_300.jpg
Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

あおぞらクリニック新橋院院長。1967年、大阪市…

内田千秋

(医)スターセルアライアンス スタークリニック …

竹島昌栄

ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会…

後藤典子