抜け毛は頭皮ケア習慣で対策(「Getty Images」より)
「抜け毛が増えて不安……」最近は薄毛の悩みをもつ女性が少なくありません。シャンプーの時に、ドキッとするほど抜けたり、ブラシにごっそり髪が絡まっていたりすると、なんだか怖くなりますよね。
発毛治療が専門の「Dクリニック」によれば、抜け毛の相談件数は9月、10月にピークを迎えるとのこと。夏のダメージが現れる秋、さらに空気が乾燥して髪と頭皮にダメージが加わる冬――適切なケアが大事なシーズンが続きます。
女性の頭髪・薄毛治療を中心に行う「Dクリニック東京ウィメンズ」院長の浜中聡子医師は、「抜け毛が増える時期のケア次第で、その後の薄毛のリスクが増すことがあります」とアドバイスします。
抜け毛の原因は大きく2つあった!
秋に抜け毛が増えるのは、犬などの動物が冬毛に変わる換毛期を迎えるのと同じように、人間も換毛期の習性が残っているからだといわれています。
健康な頭皮の人でも一日に100本程度の頭髪は抜けるとされていますが、秋は倍の200本抜ける人もいます。普段より脱毛を感じやすいのは無理もありません。
また、夏のダメージの蓄積も原因のひとつです。紫外線などによる髪の傷みや頭皮の日焼け、さらに酷暑による秋バテなど、いくつかの原因が重なっているのです。
良質なタンパク質の摂取が大切
抜け毛を防ぐためには、食事も大切です。カラダが不調になると摂った栄養は、髪より他の大切な機能に優先的に使われます。すると髪への影響が現れやすいので、よりしっかり栄養を摂ることを心がけたいものです。
「髪によい食材は、良質なタンパク質を豊富に含むもの。マメやゴマ、ワカメなどの海藻類、旬の野菜、魚、キノコ類などが挙げられます。これらの食材をバランスよく摂取しましょう。特に旬の食材を摂ることは、とても理にかなっています。積極的に取り入れてください」(浜中医師)
ふだんのケアで気を配るべきことは?
脱毛が気になる場合、専門のクリニックを利用するのもひとつの方法ですが、ふだんのヘアケアでも気をつけるポイントがあります。浜中医師は、次の4つをアドバスしてくれました。
1.優しく、でもしっかりと洗う
毛髪がいつもより抜けると、気にしてシャンプーを控える人がいます。頭皮環境を整えるシャンプーは、手の上でしっかり泡立て、頭皮をやさしく、でも、しっかりと洗いましょう。シャンプー前にブラッシングをして汚れを浮かし、汚れやスタイリング剤で泡立ちが悪い場合は2度洗いしても構いません。
2.頭皮用ローションでの保湿を習慣に
ダメージのある頭皮は乾燥しがちです。そのまま放置すると抜け毛リスクはアップします。そこで、シャンプー後にタオルドライをしたら、頭皮を専用ローションで保湿する習慣をつけましょう。
頭皮用ローションは、抜け毛だけでなくこれから生えてくる髪の健康にも役立ちます。顔に化粧水を使う感覚で、頭皮もローションを使ってうまく保湿することが大切です。
3.カラーやパーマは控えめに
ダメージの蓄積した頭皮は、ふだんより敏感なため、へアカラーやパーマの薬液がトラブルの引き金になることもあります。しばらく控えたほうがベターでしょう。頭皮の状態をみてくれるヘアサロンもあります。気になる人は相談してみてください。
4.洗髪後の自然乾燥はNG!
「ドライヤーの熱で頭皮がより乾燥しそう……」とためらい、自然乾燥するのは絶対にNGです。必要以上に水分が失われてパサつきの原因になります。ほかにも、頭皮の雑菌が繁殖してニオイの原因にも。頭皮環境が悪化すると、抜け毛を助長します。必ずドライヤーで乾かして、健やかな頭皮を維持しましょう。
抜け毛は老化の予兆だけでなく、身体の調子の変化を知らせるシグナルでもあります。食事からの十分な栄養を摂ることを心がけ、正しい頭皮ケアを習慣化していけば、健康的な髪を手に入れることは夢ではありません。
(取材・文=小澤佐知子)
浜中聡子医師
Dクリニック東京ウィメンズ院長。医学博士。北里大学医学部卒業。女性ホルモンに着目し、心身ともに健康で充実した毎日を過ごすことができるよう、医学的見地からサポート。毛髪や頭皮に関する悩みに丁寧に答えてくれることから、TV、美容・健康系雑誌など、数多くのメディアに登場する人気のドクター。
小澤佐知子
美容ライター。小学館や学研で外部編集者を経験した後、出産を機にフリーランスに転身。以後、美容ライターとして計50誌以上で取材・執筆を行う。
現在はヘアケア・ヘアデザインなど「髪」に関する記事の企画・構成・取材を中心に活動。雑誌や書籍以外にWebサイトでコラムやインタビューの連載を持つ。東京都内のヘアサロンの「ビジュアル監修アドバイザー」として非常勤役員も務める。