連載「肥満解読~痩せられないループから抜け出す正しい方法」第17回

子供や痩せ型の女性は厳しい糖質制限に注意!筋肉が少ない人は体調を崩すことに?

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子供や痩せ型の女性は厳しい「糖質制限」に注意!筋肉が少ない人は「糖新生」が不十分で体調を崩すの画像1

子供や痩せ型の女性は厳しい「糖質制限」に注意!(depositphotos.com)

  2型糖尿病に代表される生活習慣病の主な原因が、小麦粉、砂糖、コーンシロップ、そして糖度を高めた果物や白米などの精製糖質の頻回な過剰摂取にあることは明白だと思われます。

 生活習慣病を指摘された人が、2週間程度、山田式程度の緩い糖質制限をしてみれば劇的に体調が改善して検査データも良くなるなど、簡単に実感できることです。

 その一方で「糖質制限をすると体調がおかしくなる」という人たちが、一定程度いらっしゃるのも間違いありません。特に「痩せ型の女性」や「10代の若者や小学生」からは評判が悪いです。なぜでしょうか?

厳しい糖質制限をいきなり始めると「低T3症候群」になることが

 2012年に開設した私のブログでは、2013年頃から「糖質制限がしんどくてうまくいかない」「いきなり糖質制限したら体調を崩した」という方々からの相談をコメントやメールでいくつもいただきます。

 私自身や私の周囲の中年メタボおやじの間では、そんな話はまったくなかったので不思議でした。最初は「糖質制限とカロリー制限を組み合わせて、カロリー不足になっているのでは?」と思いましたが、そうではない。脂質やタンパク質をきちんと摂取しているにもかかわらず、体調が悪くなるのです。

 相談してこられるのは圧倒的に女性でした。それも痩せ型の女性です。「この方々のような悩みは、糖質制限の先進国である欧米では問題になっていないのか?」と思い検索してみると、Dr. Cateのブログに行き当たりました。

 彼女のブログに書いてあったのは「いきなり厳しい糖質制限をして体調がおかしくなる人の多くは『低T3症候群』になっている」というものでした。

 低T3症候群というのは、甲状腺ホルモンの活性型であるT3の分泌が正常であるにもかかわらず、十分に機能しない状態を指します。通常の血液検査などでは、一見、正常なのです。

 甲状腺ホルモンは身体のエネルギー代謝を活発にして、基礎代謝を上げる内分泌ホルモンです。これの分泌量が減る甲状腺機能低下症では基礎代謝が落ちて、太りやすい、だるい、浮腫みやすい、やる気が出ないなどの状態に陥ります。

 低T3症候群は甲状腺ホルモンの分泌は基準範囲なのに、その働きが末梢でブロックされている状態で、上述の甲状腺機能低下症に似た症状が出ます。

 インスリン分泌が低下する1型糖尿病と、インスリン分泌はあるのに末梢のインスリン抵抗性が上がる2型糖尿病の関係に似ていますね。メカニズムは異なりますが、どちらもホルモンの作用不足なのですからよく似た症状になるわけです。

 実は低T3症候群は体調が悪いときには簡単に陥る状態です。ある病院で検査したら、怪我や病気で入院している患者さんの半数近くが、低T3症候群になっていたという報告もあります。

 つまりけがや病気からの回復のために、あるいは食事を摂取できなくてエネルギー不足になった場合に、身体全体のエネルギー代謝を落として回復に努めようとする自然な反応なのです。

 でも、どうして痩せ型の女性は糖質制限でこの状態になってしまうのでしょう?そもそも、そのトラブルを回避するにはどうしたらいいのでしょう?

いきなり厳しい糖質制限して体調不良になったら?

 Dr. Cateのブログには「いきなり厳しい糖質制限をして体調がおかしくなった痩せ型の女性はその症状にどう対処すればいいか?」についても書いてありました。

 いきなり厳しい糖質制限をして、だるい、冷える、足がつるなどの状態になった人は、それが消える状態になるまで糖質摂取量を増やす必要があるというものです。

 たとえば、3食とも糖質摂取量を20g以下にしていた人は、1食は以前の糖質摂取に戻してみる、あるいは2食を戻すというものです。

 また、Dr.Cateは外来で、1日1食の糖質制限から始めて、徐々に糖質制限を進めていって、本人ができるところまでで糖質制限を止めるという食事指導をしていました。彼女の外来患者の中には、低T3症候群のような体調不良を訴える人はいなかったとのことでした。

 どのような人が「厳しい糖質制限で低T3症候群になりやすいか」といえば、「筋肉量が少ない人」なのです。Dr.Cateのブログには「そのために糖新生がうまくいかない」ということも書いてありました。以上のことは2013年の私のブログ記事に紹介してあります。

吉田尚弘(よしだ・ひさひろ)

神戸市垂水区 名谷病院 内科勤務。1987年 産業医科大学卒業、熊本大学産婦人科に入局、産婦人科専門医取得後、基礎医学研究に転身。京都大学医学研究科助手、岐阜大学医学研究科助教授後、2004年より理化学研究所RCAIチームリーダーとして疾患モデルマウスの開発と解析に取り組む。その成果としての<アトピー性皮膚炎モデルの原因遺伝子の解明>は有名。
その傍らで2012年より生活習慣病と糖質制限について興味を持ち、実践記をブログ「低糖質ダイエットは危険なのか?中年おやじドクターの実践検証結果報告」を公開、ドクターカルピンチョの名前で知られる。2016年4月より内科臨床医。

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足の形は普段履いている靴や生活習慣の影響を受けるが、顔と同じように、生まれつき決まっている部分も大きい。一人ひとりで異なる足の個性に合わせて靴を選び、インソール(靴の中敷き)を使うことで、日常生活を支障なく過ごせるだけでなく、自分の能力を最大限に発揮させることができそうだ。人の目にさらされる機会がほとんどない、地味な存在のインソールだが、実に多様な機能を発揮しているようだ。義肢装具士の大平吉夫さんに詳しく聞いた。
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