MEC食は肉・卵・チーズを食事の中心にして必須栄養素を満たす(depositphotos.com)
「MEC(肉・卵・チーズ)食」をご存じだろうか? テレビや書籍、雑誌などで知った人も多いだろう。
今年5月には、テレビ番組『ダイエット総選挙2017夏の陣☆超最新ラクやせ術で体重−15Kg超え続々SP!』(TBS系)の優勝チームが実践した「肉食やせダイエット」として話題を呼んだ。
「MEC食」は広い意味では「糖質制限」のジャンルに含まれるが、そのアプローチや目的は大きく異なる。「糖質制限」はマイナス(除外・制限)だが、「MEC食」はプラス(栄養摂取)である。
ダイエットにとどまらず、糖尿病、肥満、生活習慣病、アトピー、うつ……さまざまな悩みを解消する「MEC食」だが、シンプルな食事法であるがゆえ、自己流で誤ったMEC食を行い、効果が得られなかったり、逆に体調を悪化させたりするケースもあるようだ。
「正しいMEC食」を知る――実際にその恩恵を受けた体験者たちが、SNSなどで啓発・活動を行っている。11月12日、東京都内で開催された「東京MEC食講演会」の内容を一部紹介する。
タンパク質と脂質を十分に摂取する
まず、MEC食の重要なポイントは次の2つだ。
①肉・卵・チーズを食事の中心にして必須栄養素を満たす
②一口30回かんで食べる
肉(meet)と卵(egg)、チーズ(cheese)の頭文字を取って「MEC食」と名付けたのは、考案者であるこくらクリニック(沖縄県)院長の渡辺信幸医師。まず<肉・卵・チーズ>でタンパク質と脂質など必要な栄養素を十分に摂取して、糖質中心の一般的な食事で陥った栄養不足を解消する。
その結果、肥満や糖尿病、うつ、イライラなど幅広い症状が改善するのだ。
MEC食では、1日当たり「肉を200グラム」「卵を3個」「チーズを120グラム」を食べるのが基本。これで足りなければ、量を増やしてもかまわない。
もう1つ大切なのが「よく噛んで食べる」こと。一口30回以上、しっかり噛むことで、栄養の吸収を高めるだけでなく食べ過ぎを防ぐ。加えて、噛むことは脳へ刺激を与え、活性化させるとすでに報告されている。
この2つを守ることで糖質の摂取量が減る。つまり、MEC食における糖質制限は「目的」ではなく、「結果の1つ」に過ぎないのだ。
MEC食を実行して健康を取り戻した人々は、自身の体験をSNSで紹介している。そして、それぞれが情報交換を行って、3年ほど前から各地でグループが派生している。