自宅で人間ドックが受けられる「おうちでドック」はがん検診の低受診率を変えられるか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新たなリキッドバイオプシーでがん検診は大きく変わる

 現在、日本では国をあげてがん検診を推進しているが、がん研究振興財団の「がんの統計’15」では、がん検診受診率の国際比較の項目では、「OECD(経済協力開発機構)加盟国の70%~80%と比較して約40%と低い」としている。
 
 一方、日本対がん協会では、早期に発見でき、さらに治療を行うことで死亡率が低下することが科学的に証明されているがんとして、胃がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん、大腸がんの5つをあげている。
 
 しかし、胃がんではX線検査と内視鏡検査、肺がんではX線とハイリスク者に対する喀痰細胞診の併用以外には、死亡率を減少させるという十分な根拠はなく、子宮体がん、前立腺がん、甲状腺がん、肝胆膵腎がん(肝炎ウイルス・キャリア検査を除く)などの検診でも、今のところ効果があるかどうか不明であったり、有効であってもデメリットが大きいなどの問題があるとしている。(参考:日本対がん協会HP)

 ただこうした課題も、精度の高い検診をより早期に受診することで状況が変わる可能性がある。

「おうちでドック」のがんのリスク検査では、これまでの腫瘍マーカーが使われているが、最近では、がんが血中に分泌する「マイクロRNA」と呼ばれる物質に着目したがん検査が国立がん研究センターなどのチームで開発されつつある。血液1滴で13種のがんの有無を診断できるというものだ。

 また、血液中に漏れ出して体内を循環しているがん細胞(血中循環腫瘍細胞)や血液中にわずかに漏れ出したがん由来のDNA(血中循環腫瘍DNA)なども新たなマーカーとして研究が進む。

 こうした新たなリキッドバイオプシーについてハルメク・ベンチャーの井上耕平代表取締役社長は「おうちでドックはあくまでもプラットホームであると考えています。あらたなリキッドバイオプシーが確立され次第、そうしたものはどんどん取り入れていきたいと考えています」と話す。

 郵送検査キット商品などの簡便な健康診断、がん検診が、今後どのように進化していくのか、注目したいところだ。
(文=編集部)

おうちでドック 男性用はこちら
おうちでドック 女性用はこちら

※この記事に記載された情報は、2018年7月時点のものです。
※この記事で紹介している商品情報は変更されてております。最新の情報は、『おうちでドック』《公式HP》にてご確認ください。

バナー1b.jpeg
HIVも予防できる 知っておくべき性感染症の検査と治療&予防法
世界的に増加する性感染症の実態 後編 あおぞらクリニック新橋院内田千秋院長

前編『コロナだけじゃない。世界中で毎年新たに3億7000万人超の性感染症』

毎年世界中で3億7000万人超の感染者があると言われる性感染症。しかも増加の傾向にある。性感染症専門のクリニックとしてその予防、検査、治療に取り組む内田千秋院長にお話を伺った。

nobiletin_amino_plus_bannar_300.jpg
Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

あおぞらクリニック新橋院院長。1967年、大阪市…

内田千秋

(医)スターセルアライアンス スタークリニック …

竹島昌栄

ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会…

後藤典子