オリンピックですべてを水に流せるわけがない
新型コロナウイルス感染症等の健康危機に対し、保健所機能の強化が叫ばれている。しかし、強化はされない、されるはずがない。
何故ならば、「県」というムラ社会の中に保健所が埋没しているからだ。保健所が医療機関であり、公衆衛生の最前線基地というのは名ばかりで、現実はそうなってない。
「県」ムラ社会の弊害に押しつぶされ、細々と生き延びているのが現状だ。だから、2009年新型インフルエンザパンデミックのときも保健所機能強化が叫ばれたが、強化されなかったし、当然今回も無理だろう。
保健所職員が保健所長のみという冗談のような現状
自分の「県」の保健所を見てみればわかる。保健所という表看板の保健所がどれだけあるだろうか?
〇〇福祉事務所とか××センターとか奇妙な名称となっている所が多いのは何故であろうか? そして、その〇〇福祉事務所とか××センターの中に保健所があるという建て付けの「県」が極めて多く見られる(都は体制が全く違うため、今回は言及しない)。
このような場合、事務職員が〇〇福祉事務所や××センターのトップであり、その下に保健所長がおり、しかも、保健所職員は保健所長のみという信じられない構造になっている。保健所の長は原則医師となっているため、保健所長は確かに行政医師、しかし、一人だけの保健所職員という冗談のような話がまかり通っている!実質的には保健所組織なのに、ほんの少しの福祉を入れたりして、〇〇福祉事務所とか××センターとか名乗っている。これは地方分権の成れの果てか?
保健所職員が保健所長のみでどうやって健康危機に対処できるのだろうか。他の職員は〇〇福祉事務所や××センターのトップである事務職員の部下という形になっており、これでは保健所長以下保健所が一体となって重大な健康危機に対応できるはずがない。