連載「Universal Jintai Japan(UJJ)=人体迷宮の旅」第5回

【閲覧注意】パリの「フラゴナール博物館」に世界最高傑作といわれる「人体標本」を観に行った!

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コレが人体標本の最高傑作《世紀末の騎士》 画像はモザイク加工をしたもの

 フランスのパリにあるフラゴナール博物館に、「人体標本の最高傑作」といわれる《世紀末の騎士》が現存する――。

 これは18世紀に解剖学者オノレ・フラゴナールによって作られた皮剥標本(エコルシェ)で、内臓剥き出しとなった人体が、剥き身の馬に跨がっているというもの。本物の死体の心臓部分から全身の血管に熱した蝋を注入して膨らませ、着色して仕上げたものなのである。

標本製作に飛び抜けた才能を発揮したオノレ・フラゴナール

 18世紀、近代到来の象徴ともいうべきフランス革命(1789年)の時代――。オノレ・フラゴナールは、標本製作において飛び抜けた才能を発揮した人物である。

 1732年にグラースで生まれたオノレ・フラゴナールは、有名なフランスの画家ジャン・オノレ・フラゴナールの従兄弟にあたり、解剖学の世界において、その芸術的な才能を大いに開花させたといえる。

 当時、フランス王室はリヨンに世界最初の獣医学校を作り、人体を他の哺乳動物と比較して研究するため、哺乳動物の系統的な解剖模型の製作を進めた。フラゴナールはそこで標本技師を務め、1766年、パリに獣医学校を新設する際には、学長に任命されたのだ。

 そこで彼は人間と哺乳動物の比較研究のため、各種の動物標本ばかりか、人体標本にまで挑んだ。徹底した近代精神のもと、標本は芸術作品の領域にまで高められ、今もなお標本の最高傑作といわれるものが生まれたのである。

ケロッピー前田(けろっぴー・まえだ)

身体改造ジャーナリスト。1965年、東京生まれ。千葉大学工学部卒後、白夜書房(コアマガジン)を経てフリーランスに。世界のアンダーグラウンドカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『ブブカ』『バースト』『タトゥー・バースト』(ともに白夜書房/コアマガジン)などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。近年は、ハッカー、現代アート、陰謀論などのジャンルにおいても海外情報収集能力を駆使した執筆を展開している。著書『今を生き抜くための70年代オカルト』 (光文社新書) が話題に。近著に『CRAZY TRIP 今を生き抜くための“最果て"世界の旅』(三才ブックス)がある。

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