連載「Universal Jintai Japan(UJJ)=人体迷宮の旅」第2回

【閲覧注意】巨人症骨格、穿頭頭蓋、あらゆる民族の頭蓋骨。ドラマ『BONES』も吹き飛ぶ驚異のコレクション! 「ムター・ミュージアム②」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
slice003.jpg

顔面のスライス標本 画像はモザイク加工をしたもの

 

 世界の医学博物館の先駆として、驚愕の医学標本コレクションを誇る「ムター・ミュージアム」。19世紀半ば、トーマス・デント・ムター博士の個人コレクションの寄贈をきっかけとして始まったものだが、米国フィラデルフィアのダウンタウンの中心地にあり、一般公開されていることから、そのマニアックな展示とは裏腹に、秘かな観光スポットとしても人気を得ている。

 ミュージアムは、フィラデルフィア医師協会の建物内にあり、吹き抜けの2フロアで構成された展示室には、所狭しと医学標本がひしめき、膨大なコレクションには目眩さえ起こしそうなほどだ。木製の展示キャビネットはコレクションの時代性を感じさせるもので、落ち着いた雰囲気が古き医学標本の強烈なグロテスクさを際出させるともいえる。

 もちろん、ここに展示されている標本は、すべて真摯な医学的な目的のために作られ、収集されてきたものばかり。それだけに、150年以上に渡る医学の歴史とその背景にある世相を映し出しているのだ。

 展示物の中でもまず目を引くのが、身長2メートル31センチという巨人症の全身骨格。そのすぐ隣りには、1メートル足らずの軟骨異栄養症の小人の全身骨格が並ぶ。また、「石鹸おばさん(the soap lady)」と呼ばれる標本は、18世紀に黄熱病で亡くなった女性がアルカリ性の土に埋葬されたことから全身の脂肪が石鹸状となってミイラ化している。

ケロッピー前田(けろっぴー・まえだ)

身体改造ジャーナリスト。1965年、東京生まれ。千葉大学工学部卒後、白夜書房(コアマガジン)を経てフリーランスに。世界のアンダーグラウンドカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『ブブカ』『バースト』『タトゥー・バースト』(ともに白夜書房/コアマガジン)などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。近年は、ハッカー、現代アート、陰謀論などのジャンルにおいても海外情報収集能力を駆使した執筆を展開している。著書『今を生き抜くための70年代オカルト』 (光文社新書) が話題に。近著に『CRAZY TRIP 今を生き抜くための“最果て"世界の旅』(三才ブックス)がある。

ケロッピー前田の記事一覧

ケロッピー前田
除菌で虫歯と歯周病を予防する「3DS」~薬を塗ったマウスピースを5分間はめるだけ
インタビュー 口腔内を除菌して全身疾患を予防する「3DS除菌」② 鶴見大学歯学部・探索歯科講座 花田信弘教授/山田秀則助教

第1回:口腔内の雑菌は100億個以上~<除菌治療>が歯周病と生活習慣病を防ぐ!
虫歯や歯周病の原因菌が、生活習慣病を引き起こす発症リスクになることがわかっているため、今後は虫歯や歯周病を直接治療するだけに留まらず、「予防歯科」の必要性が近年ますます高まってくる。鶴見大学歯学部付属病院では、3DSという治療法を用いて、歯科治療のみならず、全身疾患の予防を目的に画期的な専門外科を開設している。

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

郡司和夫

理学療法士。日本で理学療法士として勤務した後、豪…

三木貴弘

滋賀医科大学社会医学講座(法医学)教授、厚生労働…

一杉正仁