連載「乳酸菌で腸内環境を改善、がんも予防!」第14回

腸内をキレイにして素肌美人に! 便秘による肌荒れは皮膚から排出された“腸の腐敗物”?

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皮膚の保湿効果や肌機能のバリア効果も

 同時にこの実験のデータでは、皮膚の角層水分の含有量についても、大きな差が出ていた。ビフィズス菌発酵乳飲用グループは、疑似飲料グループに比べて皮膚の角層水分含量が有意に高い値を示していたのだ。つまり、ビフィズス菌を日常的に摂取していれば、肌の潤いが保たれるということになる。

 また、乳酸菌やビフィズス菌を多く含むヨーグルトは、美肌づくりに最適な食品だ。ヨーグルトには、良質なたんぱく質やビタミンB2やビタミンAなどが含まれている。

 ビタミンB2は皮膚の毛細血管を丈夫にし、ダメージを受けた皮膚を再生させる働きを持っている。ビタミンAは乾燥肌を防ぎ、汗腺や皮脂の機能を正常に保ち、皮膚の角化を促す効果がある。それによって、小じわなどの皮膚の老化を防いでくれる。また、皮膚の細菌感染を防ぐという役割も果たしている。

 さらに、美肌のもうひとつの大敵には、ストレスがあげられる。ストレスがかかるとホルモンのバランスがくずれ、肌のバリア機能が低下したり、皮膚の血液量や水分含有量が減ってしまう。

 それに対して、ヨーグルトの粘り成分がストレスによる肌の機能障害に効果を発揮し、肌機能を改善させることがマウスによる実験で確認されている。ヨーグルトの粘り成分というのは、乳酸菌が産出する多糖類だが、その粘り成分も美肌づくりに役立っているということになる。

 美肌づくりに関わっている乳酸菌としては、サーモフィラス菌1131株、JBL05株、ブレーベヤクルト株、ブルガリア菌2038株などがあげられる。美肌作りを目指したい人は、このような乳酸菌が入っているヨーグルトを日頃から摂取していくとよいだろう。


連載「乳酸菌で腸内環境を改善、がんも予防!」バックナンバー

後藤利夫(ごとう・としお)

新宿大腸クリニック院長。1988年、東京大学医学部卒業。92年、東京大学附属病院内科助手。「大腸がん撲滅」を目標に独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法を開発。大腸内視鏡40000件以上無事故の大腸内視鏡のマイスター医師。一般社団法人・食と健康協会顧問。著作に『あなたの知らない乳酸菌力』(小学館)、『その便秘こそ大腸ガンの黄信号』(祥伝社)、『腸イキイキ健康法』(主婦と生活社)、『腸をきれいにする特効法101』(主婦と生活社)、『腸いきいき健康ジュース』など多数。大腸がんのインターネット無料相談も実施中。
新宿大腸クリニック
公式HP http://www.daicho-clinic.com

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