花粉症の原因、免疫グロブリンE(IgE)抗体を減らす効果も
一方、アレルギーの主役となるのは、免疫グロブリンE(IgE)抗体と呼ばれるもの。こちらは、アレルゲンと結合し、そのことによって肥満細胞という細胞から、ヒスタミンなどの化学物質が分泌され、それがかゆみや鼻炎などのアレルギー症状を引き起こす原因となる。
このIgE抗体をつくらせるのは、我々の体内の免疫システムの一つであるヘルパーT細胞だ。粘膜のバリアが破られ、花粉などの異物が体内に侵入するとヘルパーT細胞から異物に対する攻撃命令が出る。
T細胞には、Th1細胞とTh2細胞の2種類があり、Th1細胞は細胞性免疫、Th2細胞は抗体を中心とした液性免疫を担当する。Th1細胞とTh2細胞はシーソーのようにそれぞれが相手に対して抑制的に働く。T細胞がバランスよく働いていれば良いが、そのバランスが崩れてTh2細胞の働きが強くなると、抗体を生産するB細胞に働きかけ、IgE抗体をどんどん過剰につくらせる結果となる。
つまり、ヘルパーT細胞の誤作動によって、花粉が体内に侵入するごとにアレルギー症状を引き起こすIgE抗体がつくられて、あのつらい目のかゆみや鼻づまり、鼻水、くしゃみなどの症状が引き起こされることとなる。
乳酸菌が、このTh1細胞の働きを強め、Th2細胞を抑制することは、多くの実験の結果として報告されている。乳酸菌は、花粉症状を抑制する IgA抗体を増やし、逆に花粉症状を引き起こすIgE抗体を減らすという働きをしてくれるのだ。
特に花粉症に効果があるとされているのはBB536株で、そのほか、GCL1176株、HSK201株、K-2株、LGG菌、L-55株、L-92株、シロタ株なども関連している。