連載「死の真実が“生”を処方する」第16回

毎年平均129人が学校で死亡!? オトナ目線で気づけない“子どもの脅威”

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子どもにとって自動車事故は依然として脅威だAnirut Thailand / Shutterstock.com

 子どもにとって安全な場所・時間が少なくなってきました。子どもの安全を守ることは、今や喫緊の課題です。少子化が進む日本で、どうやって未来を託す子どもたちを育てていくか、大人たちが考えなくてはならないことです。今回は、あまり知られていない、子どもにとっての脅威についてご紹介します。

年平均129人の子どもが学校で死亡

 安全な場所と考えられている学校でも、しばしば事故が起こっています。平成16~20年の5年間における学校管理下での死亡や後遺障害について検討した報告を見ると、幼稚園・保育園から高等学校に至るまでに645人(年平均129人) が死亡し、2435人(年平均487人) が重度の後遺障害を負ったそうです。

 死亡原因の37.1%は交通事故、これに続くのが心原性死亡で24.8%でした。心原性死亡の多くは心臓突然死ですが、もともと心筋症や先天性心疾患など心臓に病気があった人が多く含まれます。重度後遺障害の97%は外傷によりますが、発生部位は、歯牙、皮膚、眼、四肢などが多くを占めました。

 学校管理下での心臓突然死は、運動に関連したものが多く、その多くは、誰かの見ている前(目撃例) で生じています。そのため、子どもたちへの心肺蘇生法の教育やAED (自動体外式除細動器)の設置が推進されています。

 AEDの設置率は、小中学校でほぼ100%に達しているそうですが、設置台数は十分ではありません。子どもが生活する校舎やグラウンドにおいて、1分以内に取りに行ける場所にAEDが配備されてはいないのです。心肺蘇生法は、学習指導要領によって中学・高学の保健体育で扱われることになっていますが、小学校では十分な教育がされていません。

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