連載「歯科医療の革命~顕微鏡歯科治療」第4回

顕微鏡を使えば虫歯の治療も「痛み」が少ない!歯石除去の後に残る不快な症状も抑えられる

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顕微鏡を使えば虫歯の治療も「痛み」が少ない(depositphotos.com)

 この連載の第3回で「顕微鏡歯科治療で『歯科医の技術の差』が明らかに!大切なのは『見える治療』と『見せる治療』」と題して顕微鏡を使った歯科治療についてご説明しました。

 今回は「見える治療は痛みも少ない」をテーマにお話したいと思います。

顕微鏡を使った「歯石除去」

 まずは「歯石除去」から話を始めましょう。

 みなさんは「歯石除去なんて、どこで取ってもらっても同じ」って思っていませんか? 実は顕微鏡を使った見える治療と肉眼治療には、大きな差があります。

 歯石が付いている歯根の表面は「セメント質」という組織でできています。このセメント質の厚みは、場所にもよりますが200μm(0.2mm)です。

 歯石を取る道具には主に2つあります。1つは、刃が付いた道具を手に持ち、歯石を搔き上げる様に使うスケーラー。もう1つは、金属のチップを超音波振動させ、歯石を叩いて壊して取るタイプの道具です。

 このスケーラーで、根の表面を、一度、搔き上げると、70μ(0.07mm)削れます。3回使うと、表面のセメント質の細胞は無くなってしまいます。顕微鏡を使わない治療では、手の感覚に頼っているので、歯石と同時に根面を削ってしまう可能性が高い。根面が削られると、術中に痛みがあったり、術後、冷たいものが滲みるなどの症状が出やすくなります。また、根面と同時に歯茎も傷をつけてしまうと出血し、さらに患部が見えなくなってしまいます。

 もちろん、顕微鏡を使っても全ての場所が見える訳ではありませんし、全く傷をつけずに取ることはできません。しかし、細心の注意を払い、熟練した衛生士が行えば、今までとは比べものにならないぐらい痛みの少ない歯石除去が可能になり、術後の不快な症状も最小限に抑えられます。

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