歯科用顕微鏡で患者さんとの意思疎通もスムーズに
“見える治療・魅せる治療”をコンセプトに歯科用顕微鏡をいち早く取り入れた「デンタルみつはし」の三橋純院長が考える歯科医療の基本は”予防”だという。
口腔内を細部まで目をこらして観察し、いま問題のある歯はどのような状態で、経過観察すべきなのか、すぐ治療が必要なのかをさまざまな角度から診断する。治療が必要と判断したときのみ、最小限の治療介入を施すことが大事だと考えるようになった。
そのために正確な”視覚的情報”を得ることが重要だと気づき、顕微鏡の重要性を改めて認識するようになった。顕微鏡を用い、口腔内を詳細に見ることで、患者に対して的確な診断をすることができる。
三橋氏は歯科用顕微鏡を始める前の自分について「アバウトな治療をしていたと思う」と正直に話す。
「肉眼だけで患部の状況を見極めるのは無理があるのです。完全にムシ歯を取り除いた気になって被せ物をしても、そこにムシ歯が残っていたりすると再発してしまう。顕微鏡を使うと、肉眼では見えない患部を詳細に調べることができる。日本の歯科医療の多くは未だ顕微鏡を導入していませんから、以前の私のような歯科治療が一般的であると考えています。時間はかかるかもしれませんが歯科診療の現場に顕微鏡が必ずある環境が好ましいと考えています」
顕微鏡と出会うことで歯科医師としての価値観の根底も覆された。その結果、前述のような歯科診療の基本にもう一度立ち返る必要性を感じて”Back to the basic"という言葉を掲げて診察に臨むようになる。 一本の歯科治療を丁寧に、安全・安心に行うことが重要。三橋氏の新しいメッセージだった。
「細菌がいるからムシ歯や根の問題が起こる。その問題を解決するためには細菌がいないようにしなければならない。汚れを取り除いてから根を密封します。でも、本当に取り切れているのかが今までは判らなかった。今は顕微鏡で根の詳細を見ることができるので、取り切れているのかがわかります。 今までのやり方だと、なるほどこれは治らない、治るわけがないって気づいたのです。そういう意味での”Back to the basic"です。きちんと削る、きちんと埋める、きちんと被せる。この”きちんと”を確実なものにできるのが歯科用顕微鏡なんです」