長年の「胆嚢炎」のなれの果て(次頁にはグロテスクな画像が含まれます。閲覧にはご注意ください)
70代女性にみられた「混合型胆石」と「陶器様胆嚢」だ。大小の小石のような黄色っぽい胆石が、胆嚢内を満たしている。胆嚢壁は卵の殻のように固く石灰化しており、まるで「陶器」のようにもみえる。
これは「陶器様胆嚢」とよばれる「慢性胆嚢炎」の行き着いた最期の姿である。この胆嚢は、すでに胆汁の濃縮や分泌といった胆嚢固有の機能を失っている。そのため、胆嚢内の「石」が動いて症状を誘発することはない。
実際、見た目の派手さに比べて、症状はあまりない。長年にわたる「胆嚢炎」のなれの果てなのだ。ただし、陶器様胆嚢に「胆嚢がん」ができることがある。「胆嚢がん」は女性に多い「タチのよくないがん」だ。ちなみに、がんの発生した胆嚢には、ほぼすべてのケースに胆石がある。