海外渡航が増えるGWに「麻疹(はしか)」が広がる恐れ!「風疹」「おたふく風邪」にも注意!

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海外渡航が増えるGWは感染症に注意!予防接種を受けたかの確認を(depositphotos.com)

 沖縄県で3月20日、台湾の男性旅行者が「麻疹(はしか)」と診断された。この男性は、訪日前に旅行したタイで感染。4月20日現在、感染患者は、この男性と接触した人、その家族、同僚など67人にのぼっている――。

 海外へ渡航する人、そして、海外からの帰国者や訪日客が急増するゴールデンウイーク(GW)。海外滞在中に感染したり、来日中の旅行者から感染する人が多くなる。「麻疹」などの感染力が強い感染症の正しい知識と予防方法を知ることが大切だ。

 厚労省は、GWを前に、麻疹の感染拡大に神経を尖らせている。厚労省「ゴールデンウィークにおける海外での感染症予防について」を見よう。

 「海外で注意しなければいけない感染症」は多いが、食べ物や水を介した消化器系の感染症が最も多い。また、日本で発生していない、動物や蚊・マダニなどが媒介する病気に感染する恐れも高い。そのほか注意すべき感染症に、世界保健機関(WHO)が排除・根絶を目指している「麻疹」「風疹」「ポリオ」の感染に特に注意が必要としている。

なぜ「麻疹」は怖いのか?

 「麻疹」は麻疹ウイルスによって起きる感染症だ。国内の予防接種が普及したことから、2015年に流行を抑え込む「排除」を達成したため、感染例は35例に止まった。

 だが、その後、東南アジアなどからの帰国者や訪日客が持ち込む例が相次ぐ。2017年の163例のうち、海外渡航歴があった人の発症はわずか38例。海外から訪れた人が感染源となる例が増えている。

 2015年の感染者は、世界で約20万人。2017年はヨーロッパで1万5000人以上が感染し、7月から12月まに1000人以上の感染があった国は、アジア(インド、インドネシア、中国、バングラデシュ)、アフリカ(ナイジェリア、コンゴ民主共和国)、ヨーロッパ(ウクライナ、イタリア、ギリシャ)など、全世界で確認されている。

 感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染。患者の咳やくしゃみのほか、空気中の麻疹ウイルスを吸い込んでも簡単に伝染する。感染力は非常に強く、免疫が不十分な人が感染すると高確率で発症。不顕性感染(無症状感染)はほとんどなく、感染した90%以上の人が発病する。免疫が不十分な人が感染すると、約10~12日間の潜伏期後に発症するため、海外渡航者が海外で感染しても、帰国後1週間以上が経過した後に発症しやすい。

 主な症状は、38℃前後の高熱が2~4日間続き、全身の発疹、上気道炎症状(咳、鼻みず、くしゃみ)、結膜炎症状(結膜充血、目やに、まぶしさ)の他、肺炎、中耳炎、心筋炎、脳炎などの重篤な合併症を伴いやすい。乳幼児は下痢、腹痛が起きることが多い。

 死亡率は、先進国で1000人に1人。2015年の年間死亡者は約13万4200人(毎日367人、毎時間15人)と推計され、その多くは5歳以下だ(WHO「麻疹麻のファクトシート2017年3月」)。なお、感染後に「亜急性硬化性全脳炎」と呼ばれる重い中枢性神経疾患を発症すれば、10万人に1人が致死する。

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