簡単な鼻うがいで花粉症やインフルエンザ対策! 免疫力アップは喉の洗浄がポイント

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慢性上咽頭炎の治療でアトピー性皮膚炎・ぜんそく・花粉症が……

 「上咽頭の粘膜は、人間の免疫システムの最前線で『門番』と『伝令』役を担っています。その上咽頭で炎症状態が長引くと、免疫機能が誤作動を始め、自分の正常な細胞を攻撃し始める、自己免疫疾患が引き起こされるのです」

 「また、自律神経の調節異常も起こり、めまいや便通異常、全身倦怠感などの不快症状につながることもあります」(堀田院長)

 堀田院長はもともと腎臓病の治療が専門だ。慢性上咽頭炎に注目したのは「IgA腎症」という難治の腎臓病治療を通じてのことだった。

 IgA腎症には長年、有効な治療法がなかったが、堀田院長は炎症を引き起こす根本原因が腎臓そのものにではなく、扁桃(口腔の奥の両側にあるリンパ臓器)や上咽頭にあることを突き止め、扁桃の摘出や慢性上咽頭炎の治療を行い、治療不能と思われていた患者を次々と治してきた。

 「慢性上咽頭炎の治療は、難しいものではありません。塩化亜鉛という薬を、鼻の穴と喉から塗るだけで、すぐに治ります」

 「ちなみに、上咽頭に炎症がない人は、薬を塗ってもほとんど痛みはないのですが、炎症がある人には強い痛みと出血が見られます。逆に、それによって慢性上咽頭炎の診断ができると言えます」(堀田院長)

 慢性上咽頭炎の治療を行ったところ、IgA腎症をはじめ、アトピー性皮膚炎やぜんそく、花粉症などのアレルギー疾患、関節炎、片頭痛、自律神経の調節障害などが改善した例は多数に上るという。

簡単にできる「鼻うがい」

 最近は鼻うがい用の洗浄液が市販もされているが、家庭にある物でも簡単にできる。その際は、生理食塩水(0.9%濃度の食塩水)を用いるといい。普通の水道水で鼻を洗浄するとツーンとしみるが、生理食塩水は体液と同じ濃度なのでしみないのだ。

【鼻うがいのやりかた】 

●用意するもの 

◆0.9%濃度の食塩水市販の蒸留水500mlに4.5g(小さじ1弱)の食塩を溶かして作るのがオススメ。水道水を用いる場合は、必ず一度沸騰させて冷ましたものを使用。衛生面から、作った食塩水はボトルなどに入れて冷蔵保存し、数日以内に使い切ること。

◆小さいプラスチックボトル:目薬の容器のような、キュッと押せば水が出る、小さいプラスチックボトルを用意。先端が細くなっていて、鼻の穴に入れやすい物を選ぼう。

●鼻うがいのコツ 

◆頭を大きく後ろに傾け(60度くらい)て上を向く。

◆プラスチックボトルの先端から生理食塩水を鼻に入れる。

◆喉のほうに流れてきた水を口から吐き出す。難しければ飲み込んでしまってもよい。両鼻を行う。

 鼻うがいは、1日に1~2回を目安に行う。たとえば、朝と晩、あるいは帰宅後などのタイミングだ。鼻うがいはスッキリするのでクセになり、何度もやりたくなる人もいる。だが、鼻の内側の粘膜はデリケートなので、やりすぎは害になる可能性がある。

 また、鼻うがいをした直後には、鼻をかまないように注意。水が耳管に入ってしまい、まれに中耳炎などを引き起こすことがある。

 「ひどく悪化した慢性上咽頭炎の治療には、塩化亜鉛を塗布するのがいちばん有効です。しかし、鼻うがいも悪化の予防に役立ちますので、ぜひ習慣として続けていただくといいでしょう」(堀田院長)

 慢性上咽頭炎の治療について、詳しくは、NPO法人・日本病巣疾患研究会のHP(http://jfir.jp)を参照されたい。
(取材・文=山本太郎/ライター)

堀田修(ほった・おさむ)
堀田修クリニック院長。医学博士。防衛医科大学卒業。防衛医大附属病院第2内科、仙台社会保険病院(現・JCHO仙台病院)腎センター長などを経て現職。世界で初めて、IgA腎症の治療法である扁摘パルスを提唱したIgA腎症治療のパイオニア。著書に『つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を治しなさい』(あさ出版)、『病気が治る鼻うがい健康法』(角川マーケティング)などがある。

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