「アレグラ」は花粉症や鼻炎に本当に効く? 副作用は少ない?

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市販薬「アレグラFX」(久光製薬)は薬局やドラッグストアで購入できる

 花粉症が軽く、ラクになる! アレルギー症状を抑え、副作用が少ない! つらいアレルギー症状を和らげる人気NO.1の大衆薬といえば「アレグラ」だ。なぜ奇跡の妙薬とまで絶賛され、愛用されるのだろう?

 アレグラは組織細胞機能用医薬品に分類されるアレルギー用薬剤。主成分はフェキソフェナジン塩酸塩。心臓病への高いリスクが指摘され、製造が中止されたテルフェナジン(トリルダン)をサノフィ株式会社が改良・開発した抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1拮抗薬)だ。

 CMでも流れている市販薬「アレグラFX」(久光製薬)は、第一類医薬品に分類される要指導医薬品(15歳以上が対象)のため、薬剤師のいる薬局やドラッグストアで購入できる。

 他方、医師の診断で処方されるアレグラは、ピンクの錠剤(30mg錠、60mg錠、120mg錠、180mg錠)、水なしで飲めるOD(口腔内崩壊錠)錠60mg、ドライシロップ5%などの種類がある。

 また、Amazonや楽天でネットストアでは注文できないが、医薬品を専門的に扱う通販サイトなら、処方薬と同じアレグラ(最大で70日分)を購入できる。

 アレグラの後発薬品(ジェネリック)には、フェキソフェナジン塩酸塩錠(30mg錠、60mg錠)、フェキソフェナジン塩酸塩OD錠(30mg錠、60mg錠)、フェキソフェナジン塩酸塩DS6%がある。アレグラと同じ成分で、同じ効用があり、薬価が安いのがメリットだ。

 都内総合病院に勤務する薬剤部部長のK氏は、アレグラについて以下のように語る。

 「アレグラ錠はトリルダン錠が心臓病に副作用を引き起こすことで市場から撤退した2年後(2000年)に、眠気が少ないとの触れ込みで鳴り物入りで医療の現場で使用されるようになったという認識がある。残念ながら、抗ヒスタミン作用は、とても弱いものとなっている感が否めない。個人的には、眠気が少ない=抗ヒスタミン作用が弱いという認識を持っているので、正直どうしてこんなあまり効果が見込めない薬に安くない薬価がついているのだろうと不思議に思っていた」

花粉症によるアレルギー性の鼻炎や皮膚炎を緩和

 アレグラは、アレルギー症状を起こすヒスタミンの受容体の働きを抑えるため、花粉症によるアレルギー性鼻炎、くしゃみ、鼻水をはじめ、じんま疹、湿疹、アトピー 性皮膚炎のかゆみのなどのアレルギー症状を緩和する。

 薬効のメカニズムをもう少し医学的に説明しよう。アレルギー抗原の刺激によってアレルギー反応が起きると、免疫系の細胞(肥満細胞)からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出される。放出されたヒスタミンは神経受容体(H1受容体)と結合し、受容体の刺激によってさまざまなアレルギー症状を誘発する。アレグラは、このヒスタミン の受容体を遮断し、ロイコトリエンなどのアレルギーに関連する化学伝達物質の働きを抑制するので、アレルギー症状が和らげられる。

 アレグラは、脂溶性が低く、脳内に入りにくいため、眠気もほとんど起きない。口の渇き、排尿障害などの副作用がほとんどない。速効性が高く、薬効の持続時間が長いのが著しい特徴だ。ただし、対症療法薬なので、アレルギーの原因そのものは除去できない。また、長期にわたって服用する時は、定期的に肝機能検査などが欠かせない。

 アレグラの有効性をプラセボ(にせ薬)と比較した二重盲検試験によれば、じんま疹(かゆみスコアによる比較)とアレ ルギー性鼻炎(症状スコアによる比較)については、対照群とプラセボ群の効果に有意な差異は見られなかった。

 また、自動車運転シミュレーター試験、ワープロ入力試験などによる精神運動能力の 検証試験でも、対照群とプラセボ群に有意な差異がなかったことから、従来の抗ヒスタミン薬と比較して、眠気を和らげるアレグラの薬効が確認されている。

 前出の薬剤部部長のK氏によると「添付文書には車の運転に関する注意書きがないので、それは問題ないと考えている薬剤師は多い。患者さんへも同様に伝えていると思う。しかし、添付文書には少ないながらも眠気の副作用(約0.5%から2.3%)はあるので、眠気を感じていなくても集中力、判断力や作業効率の低下などの可能性があることは忘れてはいけない」とのこと。

アレグラの副作用で本当に太るのか?

 このように副作用が少ないアレグラだが、「服用し続けると太る」という報告がある。

 アレグラを常用すれば、大脳の視床下部にある満腹中枢への刺激がなくなり、グレリンの分泌が促進されるので、食欲が増進し、体脂肪の燃焼が抑制される。その結果、体重が増加する。グレリンは、主に胃から産生される摂食促進ペプチドホルモン。脳下垂体に作用して成長ホルモンの分泌を促進し、視床下部に作用して食欲を増進させる。その結果、筋肉を増強し、体重を増加させる誘因となる。

 1999年、国立循環器病センター研究所生化学部の児島将康博士と寒川賢治博士がラットの胃から発見。グレリンの過剰なストレスによる食欲増進作用、エネルギー代謝の調節作用、血圧降下などの循環調節作用が明らになった。

 以上のことから、抗ヒスタミン薬のアレグラを常用すると、食欲が増進するため、過食になり、太るリスクが高まるのだ。

 ただし、アレグラの添付文書にグレリンによる体重増加の副作用の表示はない。しかも、添付文書に体重増加の副作用の報告がある抗ヒスタミン薬はほとんどない。たとえば、ザイザルなら「頻度不明」、アレロックなら「0.1%以下」と表示するに留まる。

 つまり、これらの表示は、体重増加にグレリンが関与する根拠を示したものではなく、あくまでも副作用として体重増加がありうるという確率を示しているにすぎないと推定できる。ちなみに、抗ヒスタミン薬のペリアクチンは、以前は、添付文書の副作用欄に「食欲増進、体重増加」と表示していたが、現在は「食欲亢進は頻度不明」と表示している。


 薬剤部部長のK氏も「グレリン分泌作用は、抗ヒスタミン作用のある薬には見られるので、個人差はあるが、連用による食欲増進も見られるため、体重増加は仕方ない。大事なのは、これらのことを良く知った上で、薬を使用することを選択するべきだと考える」と話す。

薬剤師や医師の指示を必ず守って

 薬には効果(ベネフィット)と副作用(リスク)が必ずある。

 副作用を最小限に抑え、効果を最大化するのが薬の役割だ。アレグラでも、軽い頭痛、眠気、だるさ、めまい、吐き気、口の渇き、腹痛、発疹、肝機能値の異常が現われる場合はある。極めて稀だが、アナフィラキシー・ショック、冷汗、顔面蒼白、しびれ、全身発赤、顔や喉の腫れ、血圧低下などの初期症状を示す時もある。

 また、市販薬「アレグラFX」は、「1回1錠、朝夕1日2回の服用、空腹時の服用も可」と表示されている。米国では、食前または空腹時に飲むと、抗ヒスタミン薬の吸収率が約10%も改善されたとする報告もある。だが、ごくわずかな副作用を避けるためには、空腹で飲まないほうが賢明だろう。

 したがって、アレグラを服用する時は、決して自己判断せず、持病やアレルギーがあったり、妊娠中や授乳中なら、薬剤師や医師に既往歴、症状、他の服用薬などを正確に伝えよう。用法・用量は症状によって異なるので、薬剤師や医師の指示を必ず守ってほしい。
(文=編集部)

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