大豆はタンパク質、ビタミン、ミネラル、イソフラボンなどが豊富な完全食品
さて、節分に歳の数だけ大豆を頂くのは、呪いを払うだけでなく、大豆が驚異の栄養パワーを秘めているからに他ならない。
畑の肉と万人に愛される大豆は、豆類の中でタンパク質が最も多く、必須アミノ酸もバランスよく含まれる優れた栄養食品だ。大豆タンパク質には、血中コレステロールを低下させる「大豆レシチン」、抗酸化作用が強い「大豆サポニン」、ビフィズス菌を増殖させる「オリゴ糖」、動脈硬化、高血圧、骨粗しょう症の予防や更年期の不調を改善する「イソフラボン」など、多くの機能性物質が含まれ、肥満を改善するダイエット効果もある。
しかも、脂質、炭水化物、食物繊維をはじめ、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ビタミンE、ビタミンB1、葉酸などの様々な栄養素がギュッと凝縮されているバランス栄養食だ。また、大豆タンパク質の消化吸収率は、納豆が91%、豆腐が95%と高いため、アメリカでは「大地の黄金」とも呼ばれるほどだ。
さらに、アメリカ国立ガン研究所が発表したガン予防に効果がある「デザイナーフーズ」の8種類の野菜(大豆、にんにく、キャベツ、しょうが、にんじん、セロリ、甘草、バースニップ)にも挙げられている。
魔除けの鰯の栄養は?
ちなみに、魔除けの鰯の栄養にも触れておこう。鰯をはじめ、さば、あじ、さんま、うなぎなどの脂肪分(脂質)に豊富に含まれているのが、多価不飽和脂肪酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)だ。
DHAやEPAは、血中コレステロールや中性脂肪を減らすことから、動脈硬化や血管老化の防止に役立ち、メタボリック症候群や生活習慣病を予防する効果がある。また、脳細胞の情報伝達を強め、脳細胞の賦活・活性を促す作用があるため、胎児や小児の脳の発達にも好影響を及ぼしている。
DHAやEPAは、血合肉(赤褐色の部分)により多く含まれ、脂ののった旬ほど多くなる。特に、泳ぐカルシウムとも呼ばれる鰯はカルシウムがふんだんだ。100g中に生いわしなら70mg、丸干しなら1400mg、煮干しなら2200mgのカルシウムが含まれている。
その他、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、コレステロールの代謝促進や肝機能を強化するタウリン、貧血を予防する鉄分、亜鉛、カリウムなどのミネラル、細胞を再生し、疲労回復を促すビタミンBも多い。鰯の栄養も大豆に播けず劣らずパワフルだ。
節分の由来、大豆や鰯の栄養パワーを知れば知るほど、豆腐、醤油、納豆などの日本食に占める大豆の美味しさや鰯の価値に気づかされる。邪気も災いも病気も払って、無病息災の1年になりますように! 福は内、鬼は外! メタボも外!
(文=編集部)