アルコールと頭痛の関係とは?(depositphotos.com)
いよいよ忘年会シーズン本番になりました。年末年始は、忘年会やクリスマス会、新年会など、職場、友人、家族などと一緒にアルコールをよく飲む時期かと思います。そんな時に、ついつい飲み過ぎて、翌日朝に気分の悪く「二日酔いの頭痛」になるという方がいらっしゃいます。
実は、アルコールに関連して起こる頭痛は2種類あると考えられます。1つは「アルコール誘発頭痛」と呼ばれる頭痛です。これはアルコール自体の毒性が頭痛を起こす場合です。2つめは、飲酒が契機となって「片頭痛」や「群発頭痛」を起こしてしまう場合です。特に赤ワインなどが、片頭痛を起こす原因となることは有名です。
今回は、これらアルコールや飲酒にまつわる頭痛との関係を、お話をしたいと思います。
アルコール誘発頭痛の分類
アルコールと頭痛の関係は、専門家の分類である「国際頭痛分類第3版(ICHD3β)」から見ると(注1)、どのように分類されているのでしょうか。国際頭痛分類では「8章:物質またはその離脱による頭痛」の細項目に詳しく記載がされています。この項目には、「8.1.4 アルコール誘発頭痛」の記載があり、その下位分類に、さらに2種類の分類があります。「8.1.4.1即時型アルコール誘発頭痛」はアルコールを摂取した後、即時から3時間以内に生じる頭痛です。この即時型アルコール誘発頭痛は遅延型に比べて、頻度はまれです。
一方「8.1.4.2遅延型アルコール誘発頭痛」とは、忘年会シーズンになると多くの方が経験される、二日酔いによる頭痛と考えていただくとわかりやすいと思います。アルコールを摂取後、数時間経過してから生じる頭痛で72時間以内に消失するとされています。
その特徴は、両側性、拍動性の頭痛で、身体的活動によって悪化します。この頭痛の原因はよくわかっていませんが、後述するアルコール代謝も関連していると考えられます。
「国際頭痛分類第3版(ICDH3β)」
8章 物質またはその離脱による頭痛
8.1. 物質の使用または曝露による頭痛
8.1.4. アルコール誘発頭痛
8.1.4.1 即時型アルコール誘発頭痛
8.1.4.2 遅延型アルコール誘発頭痛 (二日酔いの頭痛)