
飲み過ぎ注意(shutterstock.com)
酒を飲んだ翌日に体調を崩したり、気分が悪くなって仕事や生活に支障をきたす。二日酔いは誰もが経験しているものの、なかなか解決できない悪習慣だ。
アルコールは、飲酒後1~2時間かけて、胃で約20%、小腸で約80%が吸収された後、血液から全身を巡る。ほろ酔いから酩酊に入ると、酔っぱらう。
アルコールは、アルコール脱水素酵素(ALDH2)によって有害なアセトアルデヒド(CH3CHO)になり、アセトアルデヒドは、アセトアルデヒド分解酵素(ADH)や、ミクロゾーム・エタノール酸化酵素系(MEOS)によって無害な酢酸(CH3COOH)変わる。その後、酢酸は、水と二酸化炭素に分解され、呼気、尿、汗として排泄される。以上が酔いのメカニズムだ。
二日酔いは、このメカニズムが破綻し、脱水、胃痛、吐き気、疲労感、頭痛、筋肉痛、睡眠障害などの症状が出る異常な状態だ。
酒を飲むとトイレが近くなるのはなぜか?
まず、酒を飲むとトイレが近くなる。なぜか?
アルコールは、体内の水分調節をする抗利尿ホルモン(バソプレシン)の分泌を抑える、つまり、尿をよく出す働きがある。抗利尿ホルモンは、大脳の脳下垂体から分泌されるホルモンで、血液量や浸透圧を一定に保つ役割がある。
たとえば、大量の汗をかいたり、脱水症状になると、体内の水分を保つために抗利尿ホルモンの分泌量が増え、尿の量が減る。一方、酒を飲むと、抗利尿ホルモンの分泌量が抑えられる。つまり、尿の量が増えるので、トイレが近くなるのだ。
とくにビールは、アルコールのほか、大量の水分や新陳代謝を活発にするカリウムを含み、利尿作用が強いために、トイレに何度も行くことになる。ビール中瓶2本(アルコール量50g)を飲むと、およそ1ℓの水分が尿として排出される。
酒を飲みすぎれば水分が恋しくなるのは、体内の水分量が減少し、脱水状態になるからだ。飲みながら水分補給すれば、二日酔いは和らぐ。