シリーズ「恐ろしい飲酒習慣」第5回

脱水、胃痛、吐き気、頭痛、睡眠障害……二日酔いの予防法は「す・て・き」を守ること

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
inshyu005.jpg

飲み過ぎ注意(shutterstock.com)

 酒を飲んだ翌日に体調を崩したり、気分が悪くなって仕事や生活に支障をきたす。二日酔いは誰もが経験しているものの、なかなか解決できない悪習慣だ。

 アルコールは、飲酒後1~2時間かけて、胃で約20%、小腸で約80%が吸収された後、血液から全身を巡る。ほろ酔いから酩酊に入ると、酔っぱらう。

 アルコールは、アルコール脱水素酵素(ALDH2)によって有害なアセトアルデヒド(CH3CHO)になり、アセトアルデヒドは、アセトアルデヒド分解酵素(ADH)や、ミクロゾーム・エタノール酸化酵素系(MEOS)によって無害な酢酸(CH3COOH)変わる。その後、酢酸は、水と二酸化炭素に分解され、呼気、尿、汗として排泄される。以上が酔いのメカニズムだ。

 二日酔いは、このメカニズムが破綻し、脱水、胃痛、吐き気、疲労感、頭痛、筋肉痛、睡眠障害などの症状が出る異常な状態だ。

酒を飲むとトイレが近くなるのはなぜか?

 まず、酒を飲むとトイレが近くなる。なぜか?

 アルコールは、体内の水分調節をする抗利尿ホルモン(バソプレシン)の分泌を抑える、つまり、尿をよく出す働きがある。抗利尿ホルモンは、大脳の脳下垂体から分泌されるホルモンで、血液量や浸透圧を一定に保つ役割がある。

 たとえば、大量の汗をかいたり、脱水症状になると、体内の水分を保つために抗利尿ホルモンの分泌量が増え、尿の量が減る。一方、酒を飲むと、抗利尿ホルモンの分泌量が抑えられる。つまり、尿の量が増えるので、トイレが近くなるのだ。

 とくにビールは、アルコールのほか、大量の水分や新陳代謝を活発にするカリウムを含み、利尿作用が強いために、トイレに何度も行くことになる。ビール中瓶2本(アルコール量50g)を飲むと、およそ1ℓの水分が尿として排出される。

 酒を飲みすぎれば水分が恋しくなるのは、体内の水分量が減少し、脱水状態になるからだ。飲みながら水分補給すれば、二日酔いは和らぐ。

脱水症状、頭痛、吐き気、胃痛、頻脈、アルコール性低血糖、疲労感……

睡眠障害治療の新たな幕開け!個人に必要な睡眠の「量」と「質」を決める遺伝子を探せ
インタビュー「睡眠障害治療の最前線」後編:筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構・佐藤誠教授

前編『『人間の「脳」は7時間程度の睡眠が必要! 本当のショートスリーパーは100人に1人程度!?』』

ひとくちに睡眠障害といっても、さまざまな症状がある。1990年代後半から脳内に眠気を誘う「睡眠物質」を探す研究にスポットライトが当たり、2018年からは睡眠の質と量を決める遺伝子の解析も進められている。今回は睡眠障害について、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の佐藤誠教授に話しを聞いた。

Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

医療法人社団 三喜会 理事長、鶴巻温泉病院院長。…

鈴木龍太

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

郡司和夫

小笠原記念札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリ…

横山隆