連載「死の真実が〈生〉を処方する」第43回

赤ちゃんの突然死を防ぐ! 「うつぶせ寝」「添い寝」の危険性に注目を

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「うつぶせ寝」「添い寝」に窒息の危険が(depositphotos.com)

 乳幼児は「突然死」することがあります。うつぶせに寝ていて窒息死――というケースもあります。当然ながら乳幼児はデリケートです。突然死の予防には、こうした事例の正確な原因を究明することが重要です。

 少子高齢化の進む日本では、子どもの健やかな成長を助けて危険から守ることが社会全体の課題です。近年、子どもの交通事故死が少ない背景には、多くのボランティアが通学路で子どもを見守る姿があります。不慮の事故の多くは、何らかの対策で防げるのです。

 少し専門的ですが、以前は「交通事故」を英語では「Traffic Accident」と称していました。ところが近年、世界保健機関(WHO)は「Accident」という表現が適切ではないと表明。「Accident」には、<偶発的で予防できない>という意味があるからです。

 つまり、交通事故を始めとした外因死の多くは、適切な対策で予防可能なのです。「Traffic Accident」ではなく、「Vehicle Collision(自動車の衝突)」などを用いるように推奨しています。

乳幼児の予期せぬ死亡

 以前、保育施設で何の病歴もない乳幼児が急に死亡することが多発しました。当時は、乳幼児が突然死亡したので、安易に「乳幼児突然死症候群」と死因がつけられて手続が終了――という悪しき習慣がありました。

 しかし、事故がほかの施設で生じた際、警察が詳細に捜査したところ、乳幼児が「うつぶせ」に寝かされたために窒息死したことが判明。正確な死因究明が行われなかったために、多くの乳幼児が窒息死していたのです。このように、予期せぬ死の原因として乳幼児の窒息が挙げられます。

一杉正仁(ひとすぎ・まさひと)

滋賀医科大学社会医学講座(法医学)教授、京都府立医科大学客員教授、東京都市大学客員教授。社会医学系指導医・専門医、日本法医学会指導医・認定医、専門は外因死の予防医学、交通外傷分析、血栓症突然死の病態解析。東京慈恵会医科大学卒業後、内科医として研修。東京慈恵会医科大学大学院医学研究科博士課程(社会医学系法医学)を修了。獨協医科大学法医学講座准教授などを経て現職。1999~2014年、警視庁嘱託警察医、栃木県警察本部嘱託警察医として、数多くの司法解剖や死因究明に携わる。日本交通科学学会(副会長)、日本法医学会、日本犯罪学会(ともに評議員)、日本バイオレオロジー学会(理事)、日本医学英語教育学会(副理事長)など。

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