米国で遺伝性疾患の治療薬が初承認へ!日本でも承認・発売か?

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国内初の遺伝子治療薬、来年にも承認・発売か?

 この遺伝子治療の成果がどれほど貴重かつ先進的かは、明確なエビデンスに基づいたFDAの承認が、先述のように2種類の血液がんに対する抗CD19キメラ抗原受容体T細胞(CART)療法しかない事実からも明らかだ。

 今年、先進医療をイノベーションしそうな大きな動きが国内にもある。

 2017年5月10日、創薬ベンチャーの「アンジェスMG」は、代替治療が困難な慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症またはビュルガー病)の患者を対象とするHGF 遺伝子治療薬「ベペルミノゲンペルプラスミド」の医師主導型臨床研究(非盲検単群試験)の被験者への投与を開始した。治験は、大阪大学医学部附属病院が主導し、神戸・佐賀・新潟・徳島・愛媛大学医学部附属病院が協力している。

 6月9日、アンジェスMGは、今年10月をめどに厚生労働省にベペルミノゲンペルプラスミドの販売承認を申請すると発表。承認されれば、国内初の遺伝子治療薬となる。来年中の発売をめざしている(アンジェスMGプレスリリース)。

 ちなみに、先進医療は、最新の医療技術のうち、安全性と治療効果が確保し、保険診療との併用(混合診療)が認められる医療を指す。

 さて、先に紹介されたCole CarperさんとCarolineさんの言葉に触れて思い出した本がある。『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社新書/伊藤亜紗)だ。

 「私たちが最も頼っている視覚という感覚を取り除いてみると、身体は、そして世界の捉え方はどうなるのか。……見えないことは欠落ではなく、脳の内部に新しい扉が開かれること」とあったからだ。

 検眼者や健常者が決して知ることができない「光のない世界」の深さを教えられ、目が見える事実のありがたさに改めて気づかされる。ぜひ一読してほしい。
(文=編集部)

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