<脳幹>は呼吸や心臓の動きなどを司る中枢(depositphotos.com)
昨年10月10日、声優・田中一成さん(享年49)が「脳幹出血」で亡くなった。既婚者にして二児のパパでもあった彼の半生を突如奪った「脳幹出血」は、予測不能なじつに恐ろしい病だった。
洋画やアニメ作品が人一倍好きな少年として育ち、いつの頃からか「吹替えものに出てみたい」と考えるようになったという田中さん。高校生になるとダメ元の一念発起で、声優の名門・青二塾のオーディションに挑戦して見事合格!
田中さんの足跡を検索すると、<大阪府出身>と<大阪芸術大学放送学科卒業>の間に、<青二塾大阪校第2期卒業>という文字が輝かしく鎮座している。
自己申告によれば、柔道をやっていたために当時から体躯がよく、面接官から「掛け声をやってみてください」と乞われた実演したのが合否の決め手になったのでは、ということだ。
急死の前々日も元気な投稿を
声優デビューは1991年、OAV(オリジナル・アニメーション・ビデオ)『ウィザードリィ』のライフスティーラー4役。初レギュラーは翌年の『まぼろしまぼちゃん』(渡しブタ役)だった。
ほかにも『ハイキュー!!』の烏養繁心役をはじめ、『名探偵コナン』『地獄先生ぬ~べ~』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』など、数多のアニメ作品に出演していた田中さん。
<『ハイキュー!!』3期第1話視聴終わりました!/観てくれた方、本当にありがとうございますm(_ _)m/引き続き、よろしくお願いしゃーす‼>
これは急逝のわずか3日前、10月7日に本人のツイッターで遺された視聴者への感謝の弁である。
その翌日も、彼はこうつぶやき、襲い来る死の影など微塵も感じさせていない。
<クマの湯バンドもお披露目いたします。ゲストも濃いよ〜夜の部よろしくお願いいたしますm(_ _)m>
田中さんの趣味はギターとバイクのツーリング、そして中国武術とお酒好き。なかでもギター好きは十代からのバンド活動をはじめ、声優になってからも<LIPPERS>や<道頓堀ダイバーズ>というアコースティックユニットを結成している足跡からもわかる。