FDAが「がんは慢性疾患」と宣言!? がん免疫療法が長期生存もたらす未来がそこに……

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FDAが「がんに勝利」宣言をする日

 がん免疫療法は、年内には「CAR-T療法」が米国食品医薬品局(FDA)で承認され、2018~2019年には欧州医薬品庁(EMA)、医薬品医療機器総合機構(PMDA)で承認の見込みだという。

 角田教授によれば「2020年には、免疫チェックポイント阻害剤の保険適用の対象となるがん患者さんが全がんの9割を超えるでしょう。複合免疫療法も国際共同治験が進行しており、FDA、EMA、PMDAで承認されるはず。外科手術の前からがん免疫療法を取り入れることで治療成績もさらに向上することが見込めます」という。

 そして、「25年には長期生存者が50%を超え、さらに将来、半数以上のがん種で、進行がん(ステージIV)でも長期生存者が8割を超え、FDAが<がんはもはや死に至る病ではない。慢性疾患に分類される>と宣言する日が来るでしょう」と期待を寄せた。

がん免疫療法が<がん難民>を救う!?

 一方で、同じがん免疫療法として、改めて注視されているのが「ペプチドワクチン療法」だ。患者の立場で情報を発出している「市民のためのがん治療の会」の代表である會田昭一郎氏は、<がんとの共存>についてこう話す。

 「3大療法に行き詰まった<がん難民>に対して、『市民のためのがんペプチドワクチンの会』を立ち上げて勉強会や研究支援活動を行ってきた。いま脚光を浴びている免疫チックポイント阻害剤にも、高額な薬価、重篤な副作用、奏効率などの課題はある」

 「神奈川県立がんセンターは2014年、がんワクチンセンターを設立し、がんワクチン療法の臨床効果を科学的に証明するために治験(臨床試験)・先進医療を実施している。(http://kcch.kanagawa-pho.jp/outpatient/vaccine.html)

 「患者にとっては、がんが消えるか消えないかは二の次で、普通の生活ができれば、がんとの共存は許せる問題ではないでしょうか」

 なお、8月26日に「日本初、膵臓がんに対する細胞療法の治験」と題した講演会(主催:市民のためのがんペプチドワクチンの会)が行われる。角田教授も「最先端のがん免疫療法-がん;死に至る病から慢性疾患へ-」と題して登壇する。がん免疫療法をめぐる最新知見を知りたい人は参加をお勧めしたい。


●講演概要
「日本初、膵臓がんに対する細胞療法の治験」
日時:8月26日(土)午後2時30分~4時30分(午後2時より受付開始)
主催:一般社団法人 市民のためのがんペプチドワクチンの会
場所:モバフ新宿アイランド 新宿アイランドタワー20階(東京都新宿区西新宿6-5-1 電話番号03-6759-8939)
アクセス:東京メトロ丸の内線「西新宿駅」より30秒、JR線・京王線・小田急線「新宿駅」西口改札口より新宿副都心方面約徒歩8分。
参加は無料。定員100名(定員になり次第締め切り。aida@ccpvc.orgにお申込み下さい。


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角田卓也(つのだ・たくや) 昭和大学臨床薬理研究所臨床免疫腫瘍学講座教授。和歌山県立医科大学卒業後、同病院で研修。1993年、腫瘍浸潤リンパ球の研究をテーマに医学博士号を取得。92~95年、米ロサンゼルス、シティオブホープがん研究所に留学。同講師就任。95年、和歌山県立医科大学第2外科助教就任。日本初の樹状細胞療法を実施。2000年、東京大学医科学研究所講師、05年、同准教授就任。10年、バイオベンチャー社長に就任。日本初の大規模がんワクチンの臨床試験を行う。2016年5月より現職。30年間一貫してがん免疫療法を研究する。著書に『進行がんは「免疫」で治す 世界が認めた がん治療』(幻冬舎)』

會田昭一郎(あいだ・しょういちろう)

市民のためのがん治療の会代表。舌がん治療による体験から最適な治療の選択の重要性に気がつき、2004年、「市民のためのがん治療の会」を設立。セカンドオピニオンの斡旋や、がん治療に関する普及啓発活動、医療環境整備の政策提言などを行っている。2012年、標準治療に行き詰まった患者のために「一般社団法人市民のためのがんペプチドワクチンの会」も設立。がんペプチドワクチン療法の啓蒙活動・情報発信、研究支援のための寄付活動などを行っている。

市民のためのがん治療の会 http://www.com-info.org/
一般社団法人 市民のためのがんペプチドワクチンの会 http://www.ccpvc.org/

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難治性のむちうち症を改善 後編 東京脳神経センター 整形外科・脊椎外科部長 川口浩医師

前編『画像診断できない難治性のむちうち症を独自の治療法で改善』

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