イヌサフランとギョウジャニンニクの判別は難しい
ギョウジャニンニクは、葉を揉むとニンニク特有の強い臭いがあり、葉は通常1~2枚である。球根はラッキョウのような形をしており、やはり強い臭いを有する。
それに対して、イヌサフランの葉には臭いがなく、葉は多数重なっている。球根は茶色の3~5cmの卵形で、ギョウジャニンニクとは明らかに異なる。しかし実際には、山菜取りなどで冷静にこれらを区別することは、極めて難しいのが現状である。
イヌサフランによる食中毒を防ぐためにはどうしたらいいか?
①最も大切なのは、イヌサフランに関する形態およびその毒性を認識すること。無害の山菜の中にイヌサフランが混生していることがあるので、十分注意すること。採集後にギョウジャニンニクなどの食用植物と確実に判別できぬ時は、絶対に食べないこと。
②イヌサフランなどの観賞用の花壇と家庭菜園は同一の場所に作らないこと。
③生産者はギョウジャニンニクが混ざった植物を誤って出荷しないこと。集団食中毒発生の危険性がある。
④誤ってイヌサフランを誤食したことが疑われた際には、速やかに医療施設を受診すること。早期に胃洗浄などの処置を行うことによって、軽症で事なきを得ることがある。この中毒症は急激に症状の増悪を認め、死に至る危険性は極めて大きいことを認識すべきである。