意外! 冬にピークを迎える食中毒・ノロウイルスにご用心

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生食は避けるに越したことはない

 「えっ、食中毒って梅雨時じゃないの?」。高温多湿の日本の夏は、細菌が繁殖しやすく食品の腐敗は早い。買ってきたものを冷蔵庫に入れ忘れると、たいして時間が経っていなくても、変な匂いを発することがある。用心深くなる季節だといえる。

 しかし、忘年会や新年会など宴会が多くなるこの季節に、ピークを迎える食中毒があることを忘れてはならない。それはノロウイルスだ。主な症状は、吐き気や嘔吐、激しい腹痛、下痢など。軽く発熱することもある。現在も抗ウイルス剤はない。疑われるものを食べてから1〜2日で発症するが、感染しても発症しない、または軽い風邪程度で終わることもある。健康な成人なら、会社を2、3日休めばほぼ回復する。

 「意外とたいしたことない」と思うかもしれないが、ノロウイルスの怖いところは2次感染だ。ノロウイルス以外の食中毒は、1件あたり平均患者数は13,5人。一方、ノロウイルスによる食中毒の患者数は36,9人と約3倍にものぼる。学校や高齢者施設、その他の公共の場所で感染が爆発的に広がる。乳幼児や高齢者が感染すると重症化することも多く、自分の嘔吐物を吸い込んで肺炎を発症することもある。

回復した後も注意を怠ってはいけない!

 

 ノロウイルスは人の腸内で増殖し、便に残ったものが下水を通じて河川・海に流れ、プランクトンなどと一緒に牡蠣やホタテ貝などの二枚貝に取り込まれて濃縮される。汚染された貝を、生あるいは十分に加熱せずに食べるとノロウイルスは腸内で急激に増殖し、さまざまな症状を引き起こす。ほかにもウイルスのついた手指や食器などからの感染もある。

 12日前に汚染されたカーペットから感染した例もあるというから、このウイルスのしぶとさがうかがえる。汚物の始末は、マスクに使い捨て手袋、エプロンを装着し、拭き取った後は塩素濃度約200ppmの次亜塩素酸ナトリウムで浸すように床を拭き取り、水拭きする。処理前に乾燥するとノロウイルスは空中に漂う。空気感染も引き起こすため、速やかな処理が必要だ。

 元気に回復しても注意して行動しないと、うっかり自分が感染源になることがある。症状が治まった後も1〜2週間は、便に排泄されるといわれているからだ。感染しても自覚症状のない人が一番やっかいだ。感染が疑われる場合や、症状がなくても同席した人が食中毒になった場合は、医療機関や最寄りの保健所に相談して指示を仰ごう。

食べないことが最大の防御?

 

 「君子危うきに近寄らず」、この時期は牡蠣やホタテを一切食べない、というのもひとつの予防だ。しかし、食べたら必ず食中毒になるわけではない。他人から感染する場合もある。格段においしくなるこの時期、好物な人が手を出さずにいられるだろうか。

 そこで、「食べる」派へのアドバイス。まず「加熱調理用」と記載された商品は決して生で食べないこと。調理は「中心部分に85度以上、90秒間以上の加熱」をすること。これでウイルスは失活する。牡蠣鍋やアサリの酒蒸しなど、この加熱を目安にするといいだろう。使用した調理器具はすぐに洗い、85度以上の熱湯で1分以上消毒すると安心だ。

 また、帰宅後や食事前、トイレの後には石鹸を使って十分に手洗いすること。水だけでは細菌やウイルスを取り除けない。特に調理時は、石鹸をよく泡立て、指の付け根や爪の間、手首などもしっかり洗い、流水ですすぐ。習慣にしよう。
(文=編集部)

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