連載「暮らしとつながるサプリメント」第7回

「トクホ(特定保健用食品)」は本当に大丈夫?〜表記の「効果」は信用できるか?

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健康食品に表記されている「効果」は信用できるか?(depositphotos.com)

 このところ「トクホ(特定保健用食品)」に対する世間の風当たりが強くなっている――。

 何となくいかがわしい臭いのする健康食品業界にあって、「『トクホ』だけは別格だ」とする見方は、誰もが異論のないところだった。その効果も安全性も品質も、内閣府消費者委員会がチェックして「お墨付き」を与えたものだからだ。

 しかし昨年(2016年)9月、初の許可取り消しとなったトクホ製品が出て、関係者は驚いた。日本サプリメント株式会社の「かつお節オリゴペプチド」などを原料とする6品が、「有効成分がほとんど含まれていない」という理由により販売中止となり、2017年2月に景品表示法に基づく措置命令が消費者庁から出された。

「トクホ」に関する幾つかの問題点

 まず、この事例で問題としなければならないのは、いったんもらった「お墨付き」は更新されることなく「永久保証」だったこと。誰も監視しなければズルをしたってバレることはない――。ということで、2年前に既に関与成分が入っていないことが判明しているにもかかわらず、売り続けたことだ。

 その一方で、何らかの効果を謳うからには、その関与成分を特定しなければならない。先の商品では「糖の吸収をおだやかにする」のに関与する成分が、豆鼓エキスの中の「トリス」だと同定していた。しかし今ごろになって、「いや、トリスじゃなかった」というのは、なんともお粗末だ。許可の根拠となる科学データの真偽を見極めるのがいかに難しいか――。そのことを考えさせられる事例である。

 「機能性表示食品」においても同様だが、謳う効果に関与する成分を、一つ特定しなければならない。エキスのような複合的なものでは、どれが効いているのかよくわからない、あるいは一つだけでは効果がなく複合的な作用で効果が見られるという場合が多い。

 それを「単一成分で示せ」というのは、食品成分においてはかなり無理があり、その無理をなんとか通そうとすると、そこに「ごまかし」や「曲解」が生じる。この課題は放置されたままだ。

後藤典子(ごとう・のりこ)

ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会理事長、農医連携ユニット理事。同志社大学文学部卒業後、編集プロダクションを経てジャーナリストに。政治・経済評論をテーマにした取材・執筆を主軸としてきたが、サプリメントの取材をきっかけに市場の歪んだ情報の蔓延に義憤を感じ、生活者のための公正中立な情報の必要性を痛感。2001年、NPO日本サプリメント協会を発足、中立な情報機関として活動を始める。書籍の発刊や、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど、マスメディアにおいて執筆・評論・コメントを行うとともに、生活者や企業を対象とした講演活動を通じて、ヘルス・プロモーションの啓発に努める。現在、農と医をつないで健康と食の問題を検証するプロジェクト「農医連携ユニット」に関わるとともに、「日本サプリメント協会」を通して生活者の健康リテラシーを向上させるための情報活動を行っている。

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