連載「暮らしとつながるサプリメント」第5回

ライオンの「トマト酢飲料」が誇大広告!〜トクホって本当に健康にいいものなのか?

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健康増進法違反で勧告を受けた「トマト酢生活トマト酢飲料」(写真はライオンのHPより)

 消費者庁は3月1日、ライオンが販売する特定保健用食品(いわゆるトクホ)の飲料「トマト酢生活トマト酢飲料」に対して、誇大表示禁止を規定した健康増進法違反だとして勧告を言い渡した。トクホ製品としては初だ。

 同庁によると、ライオンの昨年9~11月の新聞広告には、消費者庁から許可を受けたトクホ飲料だと示した上で、「薬に頼らずに、食生活で血圧の対策をしたい」とか、「臨床試験で実証済み! これだけ違う、驚きの『血圧低下作用』」などと表示しており、あたかもこの商品を飲むだけで、薬物治療によることなく血圧を下げる効果があるかのような誤解を消費者に与えているというのだ。

 トクホは、唯一、国からのお墨付きをもらって、健康を保つ特定の効果があることを表示できる食品だ。ただし、この商品の場合でいえば「血圧が高めの人に適している」という内容を逸脱してはならず、「血圧が下がる」といった治療の領域に踏み込んだ文言は禁じられている。

 問題となった新聞広告を見ると、血圧を下げたことが一目瞭然でわかる臨床試験データが載っている。トクホの許可を得るために、企業は、商品を用いたヒト試験でその効果や摂取量などの安全性を科学的に証明しなければならない。

 これに相当な費用と、通常1年以上の時間がかかる。その高いハードルを乗り越えて認められたのだから、商品の効果を示すデータを消費者に見せてアピールしたい気持ちはわかる。

 ただ、ここが二律背反で、評価法は薬のモノサシで行い、効果を証明する臨床試験データを要求するが、あくまでの健常人の健康維持・増進のためで、病気の治療であってはならない、ということになっている。

 しかし、莫大な費用を費やした臨床データには血圧を下げる効果が見えている。開発費の元を取りたいメーカーは、トクホの特権を目いっぱい使おうとして、今回はやり過ぎた。広告担当者の法的知識が乏しかったのかもしれない。

後藤典子(ごとう・のりこ)

ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会理事長、農医連携ユニット理事。同志社大学文学部卒業後、編集プロダクションを経てジャーナリストに。政治・経済評論をテーマにした取材・執筆を主軸としてきたが、サプリメントの取材をきっかけに市場の歪んだ情報の蔓延に義憤を感じ、生活者のための公正中立な情報の必要性を痛感。2001年、NPO日本サプリメント協会を発足、中立な情報機関として活動を始める。書籍の発刊や、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど、マスメディアにおいて執筆・評論・コメントを行うとともに、生活者や企業を対象とした講演活動を通じて、ヘルス・プロモーションの啓発に努める。現在、農と医をつないで健康と食の問題を検証するプロジェクト「農医連携ユニット」に関わるとともに、「日本サプリメント協会」を通して生活者の健康リテラシーを向上させるための情報活動を行っている。

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テストステロン(男性ホルモン)の存在に着眼し、AGA(男性型脱毛症)治療、男性皮膚治療、男性更年期、前立腺がんのサポート、男性不妊など、男性の外見や内面の健康に関わる様々な治療を独自の視点から行うメンズヘルスクリニック東京(東京・丸ノ内)の小林一広院長。第3回目は「男性妊活・男性力」について。
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