>  >  > ノンアルコール飲料に「トクホ」は適当、不適当? 

ついにノンアルコール飲料にまで「トクホ」登場で議論紛糾 混迷する健康食品市場の行方

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【ビジネスジャーナル初出】(2014年10月)

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「脂肪を燃焼しやすくする」ダイエット"トクホ"は根強い人気商品

 〇(まる)の中で大きく伸びをする人――。食品についているこのマークが「トクホ」、つまり、特定保健用食品だ。トクホの意味は知らなくても、このマークを見たことはあるだろう。

 トクホを一言でいうと、厚生労働省が許可した健康維持に役立つ食品。もう少し説明を加えると、健康のために何らかの有効成分を加えて作られた加工食品で、かつ、その安全性や効果が化学的に証明された食品ということになる。

豆腐、お茶、コーンフレーク、ヨーグルト、ビスケット、スポーツドリンクなど、スーパーやコンビニなどで普通の食品と同じように売られている。最近では、トクホのコーラやコーヒー、緑茶も人気で、その売り上げは上々だそうだ。現在、トクホとして許可されている品目は、1100を超えているという。

 2014年8月、内閣府の消費者委員会は、トクホの申請があったノンアルコール飲料2製品について、「お酒の代用品として売られる飲料を認めるのは適当ではない。未成年者の飲酒のきっかけになる懸念が払拭できない」と判断した。ちなみに、ノンアルコール飲料についての答申は初だ。申請したサッポロビールと花王の製品は、前者は「食物繊維の働きで糖の吸収を穏やかにする」、後者は「茶カテキンを豊富に含み、脂肪を消費しやすくする」という表示を求めていた。

しかし、翌月、最終的な許可権限を持っている消費者庁は、「トクホの許可要件である安全性と効果が確認できれば、手続き上、認めざるを得ない」という意見もあり、消費者委員会の答申を覆して許可することも含めて検討しているという。

●企業の負担が軽くなる「機能性表示」に市場がシフト

 トクホの許可制度ができた1991年、栄養学会などで、食品には、生体の血圧、体温、神経系ホルモンなどを調節する機能があることが化学的に発表された。すると、そこに注目した食品メーカーなどが、さまざまな新商品を開発・発売。世間では、今よりさらに健康になりたいと健康関連商品やサービスに走る、いわゆる「健康ブーム」が巻き起こった。しかし、これらの食品の中には、本当に有効成分が入っているのか、実際に効果があるのか、疑わしいものも少なくなかった。そこで、厚生労働省が特定保健用食品、通称トクホの許可制度を設けたのだ。

 しかし、健康によければ、食品にどんな成分でも添加できるわけではない。パッケージなどに表示できる効果効能も、キチンと定められている。トクホに認められた効果の表示は、「お腹の調子を整える食品」「血圧が高めの方に適する食品」「コレステロールが高めの方に適する食品」「血糖値が気になる方に適する食品」「ミネラルの吸収を助ける食品」「虫歯になりにくい食品」などである。だが、薬事法に触れない範囲でのまわりくどい表現は、「消費者にはかえって分かりにくい」との声もあった。

一方、安部政権の成長戦略の一環として、消費者庁では健康食品などが体にどのようによいかを表す「機能性表示」の解禁を検討。原則医薬品にしか許されていなかった体の部位の健康維持増進をうたうことを認める最終報告書案を同庁内の検討会に提出した。

 この新たな制度では、科学的根拠を明らかにできることを条件に企業の判断で健康効果を表示できるようになる。現行のトクホと栄養機能食品の2制度は引き続き残されるが、企業の負担が軽くなる機能性表示に向けて市場がシフトして、トクホの商品開発は停滞するだろう。しばらく、健康食品の定義についての議論が続きそうだ。
(チーム・ヘルスプレス)

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