連載「病理医があかす、知っておきたい「医療のウラ側」」第20回

「乳がん」の増加は牛乳・乳製品・牛肉の食べ過ぎ!? エストロゲンの濃度が引き金に

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閉経後に乳がんや子宮内膜がん(子宮体がん)のリスクが高まる理由

 太ると脂肪細胞が増える。脂肪と同じように、甘いもの(糖質)を取りすぎると、余った糖質は体内で脂肪に変換されて、脂肪細胞に貯められる(肝細胞に中性脂肪=トリグリセリドが貯まると脂肪肝になり、動脈壁にコレステロールが貯まると動脈硬化になる)。

 脂肪細胞には、テストステロン(男性ホルモン)をエストロゲンに変える酵素(アロマターゼ)が含まれている。つまり、エストロゲン産生工場である卵巣の機能が停止した閉経後に肥満になると、血中のエストロゲン濃度が高まる。

 閉経後は、どうしても太りやすい。そのため結果的に、乳がんや子宮内膜がん(子宮体がん)のリスクが高まるというわけ。

 乳製品や高い牛肉のステーキを控える(適量にする)、そして植物線維の多い和食(ご飯とみそ汁)に切り変える。こうすることで、乳がんだけでな大腸がんのリスクも減るだろう。そのうえで、糖質、脂質を少し控えめにしたバランスのよい食事を心がけよう。

連載「病理医があかす、知っておきたい「医療のウラ側」」バックナンバー

堤寛(つつみ・ゆたか)

つつみ病理相談所http://pathos223.com/所長。1976年、慶應義塾大学医学部卒、同大学大学院(病理系)修了。東海大学医学部に21年間在籍。2001〜2016年、藤田保健衛生大学医学部第一病理学教授。2017年4月~18年3月、はるひ呼吸器病院・病理診断科病理部長。「患者さんに顔のみえる病理医」をモットーに、病理の立場から積極的に情報を発信。患者会NPO法人ぴあサポートわかば会とともに、がん患者の自立を支援。趣味はオーボエ演奏。著書に『病理医があかす タチのいいがん』(双葉社)、『病院でもらう病気で死ぬな』(角川新書、電子書籍)『父たちの大東亜戦争』(幻冬舎ルネッサンス、電子書籍)、『完全病理学各論(全12巻)』(学際企画)、『患者さんに顔のみえる病理医からのメッセージ』(三恵社)『患者さんに顔のみえる病理医の独り言.メディカルエッセイ集①〜⑥』(三恵社、電子書籍)など。

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堤寛
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