バーベキューやグリル肉の食べ過ぎには注意(depositphotos.com)
乳がんを公表し闘病生活を続けるフリーアナウンサー・小林麻央さんが、2月7日にブログを更新。放射線食道炎が快方に向かって体調が安定し、平穏な気持ちでいることを打ち明けた。
今、彼女の発信が常に注目されているのは、乳がんを身近な問題と考える女性が増えてきたからかもしれない。現在、一生の間に乳がんになる日本人女性は12人に1人といわれる。
また、乳がんで亡くなる女性は2013年に1万3000人を突破。1980年と比べて約3倍になり、その後も増加を続けている(2015年の乳がんによる死亡数は1万3584人)。
高齢になるほど増える他のがんとは異なり、乳がんは 30代から増加し始めて40代後半から50代前半がピーク。若い時期から関心を持って生活することは大切だ。
そんな乳がんのリスクに怯える女性たちにとって、最近、気になる論文が発表された。若い世代が好んで食べるバーベキューや燻製肉が、乳がんによる死亡リスクを高める可能性があることがわかったというのだ。
同じ乳がん患者でも死亡率に差があった
この結果を明らかにしたのは、米ノースカロライナ大学疫学教授のMarilie Gammon氏らの研究グループ。米国立がん研究所機関誌『Journal of the National Institute』(電子版)の2017年1月4日号に発表した。
今回の研究は、1996~1997年に乳がんと診断されたニューヨーク州ロングアイランドの女性1500人余りを対象とし、乳がんと診断されたときと、その約5年後に食習慣についてのインタビューを実施した。
そして、約18年間の追跡調査を実施したところ、その間に約600人の女性が死亡し、そのうち237人が乳がん関連の原因で死亡していたことがわかった。
研究グループは、対象者が摂取した肉の種類や量と追跡期間中の死亡リスクとの関連を検討した。その結果、がんと診断される前に「グリル」や「バーベキュー」、「燻製の肉」を多量に食べていた人は、少ししか食べていなかった人に比べて死亡率が23%高かった。
また、乳がんと診断されてからもこのような肉を多く食べ続けていた人は、さらに総死亡リスクが高くなり、加えて乳がん関連死のリスクも高くなることが示唆された。特に「牛肉」「豚肉」「ラム肉」は問題となる可能性が高かったという。