小林麻央「乳がん検診」で発見できた?40歳以下の検診は無意味!マンモグラフィで「がん細胞」拡散

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
201610111725.jpg

最近は20〜30代の乳がん患者も増加(shutterstock.com)

 J-CASTニュース(10月3日)は、乳がんと闘病中のフリーアナウンサーの小林麻央さんが「根治は難しい状態かもしれない」とブログで明かしたと伝えた。

 小林さんは「がんの進行度は末期がんのステージⅣだが、奇跡を起こしたい。5年後も10年後も生きたい。この世界に生きているのは本当に素晴らしい。大きい夢や目標もまだある。できることはすべてやりたい!」と生き抜く意志と希望を熱く燃やしている。

乳がんは5年生存率は87.9%、10年生存率は79.3%

 国立がん研究センターの「2015年のがん統計予測」によれば、乳がん罹患数8万9400人、死亡数1万3800人。罹患数は1995年以降に急増し、女性が罹るがんのトップを占める。40代後半〜50代前半の発症率が高かったが、最近は20〜30代や閉経後の60代の発症も少なくない。

 このまま推移すると、有病者数は2024年まで増加し続けると予測される。5年相対生存率は87.9%、10年相対生存率は79.3%(2002~2006年追跡調査)。北関東、中国、四国の発症率が高い。

 乳がんは、乳房の中にある母乳を作る小葉組織や母乳を運ぶ乳管組織にできる悪性腫瘍。小葉組織にできる小葉がんは5~10%、乳管にできる乳管がんがほとんどだ。

 乳管がんは、がん細胞が小葉や乳管の中に留まる非浸潤性乳管がんと、がん細胞が乳管の外に出る浸潤性乳管がんに分かれる。放置すれば、がん細胞が乳腺の外に浸潤するため、リンパ節、骨、肺、肝臓、脳などへ転移する。小林さんは、浸潤性乳管がんのステージⅣと考えられる。

20〜30代の乳がん検診は有効か?

 乳がんの実態は分かった。では、20〜30代の乳がん検診は効果があるのだろうか? 受ける必要があるのだろうか?

 がん検診の有効性を評価し、がん検診の精度管理の研究を続けるがん検診の第一人者がいる。『がん検診は誤解だらけ 何を選んでどう受ける』(NHK出版生活人新書)の著書がある国立がん研究センターがん予防・検診研究センター検診研究部の斎藤博部長だ。

 乳がんを早期発見し、転移性乳がんの発生を減らすために行われるのが、マンモグラフィ検診だ。自治体のガイドラインでは、40代以上を対象に実施されている。若い世代の発症も急増しているのに、なぜ40代以上だけなのか?

 斎藤部長によれば、20〜30代のマンモグラフィ検診の有効性を裏づける明確なエビデンスはほとんどなく、むしろ不利益が多いからだ。

 何か症状がある人が受けるのが「検査」なら、健康な人が受けるのが「検診」だ。検診には自治体や職場などが実施する「対策型」と、人間ドックなど個人が自費で受ける「任意型」がある。したがって、検診は費用や受診者の物理的・精神的な負担などを考えれば、検診を受ける利益が不利益を上回らないかぎり受ける意味も価値もない。

 つまり、マンモグラフィ検診は「早期発見で死亡率が低下するという科学的根拠がある検診だけが有効」になる。言い換えれば、マンモグラフィ検診は、40歳以降は有効だが、40歳未満の有効性は実証されていない。

「がん免疫療法」の情報が氾濫~正しい知識を得るのが<がん克服>のカギ
インタビュー 進行がんは「免疫」で治す 第1回 昭和大学教授 角田卓也

<第4の治療>として注目されている「がん免疫療法」。がん免疫療法の最前線で研究を続けてきたエキスパートである昭和大学の角田卓也教授に、その種類と効果、実績などを元に、一般の人が「正しく治療法を選ぶための知識」について訊いた。

精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年…

里中高志

滋賀医科大学社会医学講座(法医学)教授、京都府立…

一杉正仁

大阪市内のクリニック勤務。1987年 産業医科大…

吉田尚弘