孤独死によって生じる3つの弊害
孤独死が発生すると、どのような弊害があるのでしょうか? 社会的に次の3点があります。
①身元確認が必要になる
死後変化が進行することで顔貌が変化し、親類が確認できないことがあります。指紋の登録があるのは一部の人ですし、ミイラ化や腐敗などで指紋の採取もできないことがあります。
この場合、遺体から採取した試料と家族から得た試料との間でDNA鑑定を行わなければなりません。費用と時間を要することはお分かりいただけるでしょう。
②犯罪が隠蔽される恐れがある
たとえば、何者かが侵入して殺害したとします。発見されるまで、犯罪の事実が確認できません。また、死後変化が高度になることで、遺体に存在していたはずの創傷が分かりにくくなります。したがって、犯罪が隠蔽されたり、事件の解決に支障をきたす恐れがあります。
③環境に悪影響を及ぼす
先にお話した異臭だけではありません。腐敗が進行すれば、その周囲に体液や死体の一部が浸潤します。また、ハエが集まり卵を産むとウジが発生します。したがって、衛生状態を悪化させることになります。
孤独死を防ぐためには?
では、孤独死を予防するにはどうしたらいいのでしょうか?
高齢でも介護を受けていたり親密な付き合いがある人は、万一のことが起こっても誰かが間もなく発見してくれます。ですから、社会的に孤立している状態をなくすことが重要です。
千葉県のある地域の自治会は、独居高齢者を見守るというルールを作っています。電気が消えたままである、洗濯物が2日にわたって干したままであるなどの時には、自宅を訪問することになっているそうです。その結果、具合が悪くなって倒れていたのを発見でき、一命を取り留めたということがありました。
このような対策を地域で推進するのはいかがでしょうか。そうすれば不幸な孤独死は減少していくはずです。