キシリトール配合のガムで犬が死亡!
これまでのところ、猫に関する報告は上がっていない。しかし、猫もフルオロウラシル軟膏に極めて敏感だと予想される。
猫は体毛を舐めて手入れをするため、飼い主が軟膏を塗布した手で猫を撫でた場合は注意が必要だ。
FDAはこれらの事実を踏まえて、次のような警告を出している。
まずフルオロウラシルを処方する医師や調剤する薬剤師は、患者がペットを飼っている場合、薬に触れさせないよう助言すること。
また、獣医師はペットの嘔吐やけいれんなどの症状をみたら、家庭内にフルオロウラシルを使っている人がいないか確認が必要だ。
さらに飼い主側に対しては、医薬品はペットの届かない場所に保管し、薬剤が手や衣類に残らないようにすること、誤ってペットが塗り薬を口にした場合は、直ちに獣医師に相談するよう呼び掛けている。
タマネギやチョコレートなど、ペットに与えてはいけない食材に注意を払う飼い主は多い。だが、身の回りのありふれたものが、犬や猫にとって致命的な毒物になる。
比較的知られているのは、キシリトール配合のガム。子どもが訪問先で飼われていた犬に与えてしまい、亡くなった事例がある。
アロマオイルで中毒事故が400件以上
アロマセラピー用のエッセンシャルオイルにも、危険なものがある。特に注意すべきは、ティーツリーオイルによる中毒だ。
アメリカでは、2002年からの10年間で犬と猫の中毒事故が400件以上報告されている。このなかには、「ヒトにいいものは動物にもいいだろう」と、飼い主が意図的に使用したケースも少なくない。
そして、まだまだ危険性が認知されていないのが、エンジンや空調などに使われる「不凍液」。甘い香りで犬や猫が好んで舐めたがる。
ところが、毒性が非常に強く、腎機能障害を引き起こす。小型犬や猫の致死量はごくわずかだ。
化学物質に対する反応は、生物それぞれで違う。ヒトなら決して口にしないものでも、触手を伸ばすペットもいる。不慮の事故を防ぐには、生活圏での<ペット目線>を養うことも大切だ。
(文=編集部)