現代人の「めまい」は首から起きる?(shutterstock.com)
めまいを訴えたことのある人というのは、意外に多いのではないだろうか? そして、めまいを生じた場合、何科を受診すれば良いのかわかっている人は、どのくらいいるだろうか?
めまいという症状は厄介だ。というのも、その原因が数多く考えられるからだ。大別すると「脳からくるめまい(中枢性めまい)」と「耳からくるめまい(性発作性頭位めまい症やメニエール病など)」がある。
脳出血や脳梗塞からめまいが生じること、また、内耳が原因でめまいが生じることは昔から知られている。めまいが起きれば、脳神経外科や耳鼻科を受診する人も多いだろう。
たとえば、「良性発作性頭位めまい症」は、「耳石」と呼ばれる耳の中の石が内耳から剥がれて起きる。姿勢(特に頭の位置)を変えることで耳石が動き、その刺激によってめまいが生じる。そのため、脳神経外科や耳鼻科で診断を受ければ、めまいの原因が判明するだろう。
だが、最近、新しい原因が注目されている。<首が原因で起きるめまい>だ。
日常生活に潜む「頚性めまい」
首からくるめまいは、専門家の間では「頚性めまい」と言われている。その名の通り、頚部が原因で生じるめまいのことだが、これが日常生活によく潜んでいる。
首が原因でめまいが生じる「頚性めまい」のメカニズムはどのようなものか? 頚部には脳へつながる「椎骨動脈」という血管が通っている。この血管の血流が阻害されると、めまいが生じることがある。
頭をひねったり、反らしたときに血管が圧迫され、脳への血の流れが悪くなることがある。これが原因で頭痛やめまいを引き起こす。
いわゆる「肩こり」の人も注意が必要だ。頚部の筋肉は頭と体を繋いでいるため、その筋肉が硬くなると、頭部にも影響を与えてしまう。その結果、めまいや頭痛招くことがある。
また、頚部の周囲の筋肉が緊張することで、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れてしまい、めまいが生じるという説もある。