インタビュー「自宅や職場からの遠隔診察を可能に」第2回:新六本木クリニック・来田誠院長

通院不要の「オンライン診療」~支払いはクレジット決済、薬は院外処方箋を自宅に配送

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

アプリのダウンロードでスマホ診療が可能

――オンライン診療のシステムを教えてください。

 医療システムの提供をしているメドレー社が開発した「CLINICS」というオンライン通院システムを使っています。

 ブラウザで管理をしているので、パソコンからであれば特別なソフトをインストールする必要もありません。患者さん側はアプリをダウンロードすれば、スマホでも診療を受けることが可能です。

 初めてこのシステムを使う時には、クレジットカードの情報を登録してもらい、それがIDと関連づけられるようになっています。この登録によって診療の予約、ビデオ通信が可能になります。オンライン診療はクレジットカードでの支払いとなります。

 また、予約の際には問診票を入力していただきます。きちんと服薬ができているか、何か変わったことはあったか、伝えたいことはあるかなどの質問事項に入力することで、医師側も事前に状況を把握した上でスムーズに診察を始めることができます。

――具体的にはどのような方法で診察を?

 オンライン診療は、セキュリティで保護されたビデオ通信を使って行います。医師と患者はお互いの顔を見ながら診察をすることができます。薬に関しては、院外処方箋を患者さんの自宅に配送し、それを最寄りの薬局に持っていっていただく形になっています。

――モニターを通じてだと、患者さんの調子やニュアンスが十分に伝わらないという欠点はありませんか?

 それはあまり感じていません。しいて言えば、首から下が映らないことが多いので全身の様子は分かりにくい。また、待合室での様子を垣間見ることはできません。

 ですが、初診を含め、実際に数度お会いしており、すでに病状を把握している上で安定している患者さんへのフォローアップならば、支障がないケースも多いと考えています。
(取材・文=里中高志/精神保健福祉士、フリージャーナリスト)

来田誠(きただ まこと)
1980年生まれ。京都大学医学部卒業。大阪赤十字病院での初期研修を経て、医療法人養心会 国分病院に勤務。2010年より大和西大寺きょうこころのクリニック院長。2016年1月に新六本木クリニックを開設。専門は産業精神保健で、現在診療と並行し上場企業等7社の産業医を受託し、職場のメンタルヘルス改善に取り組んでいる。(資格)精神保健指定医、日本精神神経学会認定精神科専門医、産業医、(所属学会)日本精神神経学会、日本産業精神保健学会、日本遠隔医療学会。

里中高志(さとなか・たかし)

精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。大正大学大学院宗教学専攻修了。精神保健福祉ジャーナリストとして『サイゾー』『新潮45』などで執筆。メンタルヘルスと宗教を得意分野とする。著書に精神障害者の就労の現状をルポした『精神障害者枠で働く』(中央法規出版)がある。

里中高志の記事一覧

里中高志
バナー1b.jpeg
HIVも予防できる 知っておくべき性感染症の検査と治療&予防法
世界的に増加する性感染症の実態 後編 あおぞらクリニック新橋院内田千秋院長

前編『コロナだけじゃない。世界中で毎年新たに3億7000万人超の性感染症』

毎年世界中で3億7000万人超の感染者があると言われる性感染症。しかも増加の傾向にある。性感染症専門のクリニックとしてその予防、検査、治療に取り組む内田千秋院長にお話を伺った。

nobiletin_amino_plus_bannar_300.jpg
Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

あおぞらクリニック新橋院院長。1967年、大阪市…

内田千秋

(医)スターセルアライアンス スタークリニック …

竹島昌栄

ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会…

後藤典子