薬は処方箋を患者の自宅に配送(shutterstock.com)
「5大疾病」のひとつとされ、もはや誰でもかかりうる病気となった精神疾患。その治療は長い期間にわたることが多いため、通院には負担がかかるのが常だった――。
そんな精神科の診療をオンラインで行なうことを可能にし、利便性を高めたのが、2016年1月に開院した新六本木クリニック。画期的なビデオ診療の詳細について、院長の来田誠医師に聞いた。
あくまで「オンライン診療」はひとつの選択肢
――新六本木クリニックでは、診察のうち何割が<オンライン>なのですか?
月によっても変動はありますが、再診患者さんのうち実際に来院された方への対面診療が6割、オンラインは4割程度です。
誤解しないでいただきたいのは、あくまで<オンライン診療>は当院の診察の一形態であって、すべてをオンラインですまそうとしているわけではありません。厚生労働省の通達にも「初診および急性期は対面で診察すること」とあり、当院もそれに従っています。
――初診は対面して行なうことになるわけですね。
そうです。ただし、診察ではなく「医療相談」として、まず、オンラインでの面談を行うケースもあります。そして、「実際に診察を受けたい」となったら、一度来院していただき、オンラインでの診察が可能なのかも含めて話を伺う――という流れになります。
――どのようにしてオンライン診療に移行するのですか?
最初は通常の対面診療を行い、その過程で病状をみながら、「以降はオンライン診療でも構わないですよ」という案内をしています。患者さんが「やはり対面がいい」と判断されれば通院での診療を、オンラインを希望されれば、次回はオンライン診療を予約されることになります。
予約は電話でも受け付けていますが、オンライン診療を希望する患者さんの場合、ネット上での予約システムを使っていただく形になります。