運動は<継続>が一番難しい。誰だって、シンドイことをやるのは億劫だ。しかし、カラダは正直だ。コツコツと運動を続ければ、その効果は必ず表れてくる。
そこで、継続するためのきっかけや動機は重要だ。先頃、<ソーシャルメディア(SNS)は動機づけの強力なツールとなる>という興味を引く報告を目にした。『Preventive Medicine Reports』(12月号)に掲載された、米ペンシルベニア大学コミュニケーション学部・工学応用科学部准教授のDamon Centola氏らの研究だ。
さらに興味深いのは、<ジムに行く頻度を増やす>という目標を達成したい場合は、SNSでは友人と「励ましあう」よりも「競争する」ほうがよいという点だ。
<競争する>グループのほうが運動の動機づけに
研究者のCentola氏は、「<励ましあう>グループでは、活動的でないメンバーほど注目されるため、むしろ逆効果となることがある。一方で、<競争する>グループでは、活動的なメンバーが目標を設定する形で関係が決まるため、運動の動機づけに有用である」と、コメントしている。
Centola氏らの研究では、ランニングやヨガなどの活動を含む11週間の運動プログラムに登録した学生800人を追跡。このプログラムでは終了時に、運動クラスに最も多く出席した学生が賞品をもらえるように設定された。
被験者は、SNSを介して個人間で競争する群、チーム内でサポートしあう群、チーム間で競争をする群、または競争もサポートもしない対照群の4群に分けられた。
その結果、個人競争群とチーム競争群の出席率は、対照群よりも90%も高かった。驚くべきことに、チームサポート群の出席率はむしろ対照群よりも低かったという。