連載「健康って何だ?~フィットネス道の探求~」第17回

もう「時間がない」と言い訳できない~自転車こぎ45分に匹敵する1分間エクササイズ

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ハードなトレーニングは短時間でも効果あり(shutterstock.com)

 時間がない――。忙しい現代人の「運動できない(しない)理由」として、間違いなく上位に入る言い訳だ。

 そんな人には耳が痛い、「1分間あれば十分な運動ができる」という研究結果が先ごろ報じられた。わずか1分間の激しい運動で、45分間の中等度の運動と同じくらい、健康状態が良くなるというのである。

 マックマスター大学(カナダ、オンタリオ州ハミルトン)運動学のMartin Gibala教授らによる研究結果は『PLoS One』(4月27日・オンライン版)に掲載された。この研究では、運動の習慣がない男性27人を、「激しい運動」か「中等度の運動」を週3回・12週間行うグループと、まったく運動をしないグループの3つに無作為に振り分けた。

 「激しい運動」群には、いわゆる「スプリント・インターバル・トレーニング(SIT)」を行ってもらった。SITは、短時間の無酸素運動と負荷の低い回復時間を交互に繰り返すトレーニング方法である。
 
 この短時間の負荷の高いトレーニングは、運動能力を向上させ、グルコース代謝を改善し、脂肪を燃焼させる効果がある。

 実験では、エクササイズバイクを全力で20秒間こぐ「オールアウト」を3回(20秒×3回=1分)と、2分間のウオームアップ、3分間のクールダウンを行い、激しい運動の合間には回復のために2分間、軽く自転車をこいだ。1回の運動は全部で約10分間である。

 一方、「中等度の運動」群は、適度なペースで45分間自転車をこぎ続け、SIT群と同じウオームアップとクールダウンを行った。

 12週間後、運動をした両群を比較すると、心肺機能およびインスリン感受性の測定値は同じ程度だったという。Gibala氏は「たいていの人は運動しない理由として、『時間がない』ことを挙げる。

 今回の研究は、インターバルトレーニングが有効で、短時間でも従来の方法と同様に健康に便益をもたらすことを示している」と述べている。

村上勇(むらかみ・いさむ)

フィットネスアドバイザー。JT東京男子バレーボール選手を引退後、現・スポーツクラブ「ルネサンス」に勤務。2007年から「メディカルフィットネス+スパ ラ・ヴィータ」のゼネラルマネージャーとして施設運営に携わる一方、トレーナーとして主婦や高齢者、アスリート(サッカーチーム・モンテディオ山形、加藤条冶:スピードスケート、黒田吉隆:レーシングドライバー)、著名人(指揮者・飯森範親など)を幅広く指導。現在は株式会社ドリームゲート代表として、スポーツチーム・アスリート・企業などを指導、運営協力に携わる。

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