短時間治療で傷みなし、成功率9割強!
しかし、Doc氏の革新的な研究成果は、歴史の影に葬られた。虫歯が再発しないことには歯科医が儲からない。不利益ゆえに隠蔽されたのだ。その功績が新世代の米国人歯科医、Tim Frazer博士によって掘り起こされ、自然治癒力を活かした治療法として現代に蘇った。
歯を削らずに治す同療法の日本における第一人者として、小峰院長が注目を浴びた直接のきっかけは、2011年放送のTBS系『世界のスーパードクター』だった。が、その当時からも日進月歩の勢いで治療の進化は著しいと小峰院長は語る。
「以前は1~2年後にフタを取って、再石灰化したかどうかを確認してから仕上げの被せものを行なっていました。ところが成功率が90%以上に進んだ現在では、再石灰化することを前提に施術していますから、実質治療は1回で終わらせる例が大半です」
同書に掲載されている小峰歯科医院の治療価格表(2016年11月現在)によれば、「ドックベスト治療1日で完了」の場合で費用は1万6000~2万5000円とある。現状では保険診療対象外の治療法ゆえ、一見、高く感じるかもしれない。が、削ることから生じる将来の歯の治療費(その総額)を思えば、1回で済むこちらのほうが安いともいえるだろう。
巻末には「削らないドックベスト療法導入」の全国歯科医院のリストも載っている。これからは虫歯は削らない派が主流となるのだろうか? 読んでから自らでご判断を。
(取材・文=編集部)