曲がり角に差しかかっている日本の「置き薬」~途上国の患者を救うことができるか?

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地域での啓蒙と安全な薬の供給体制が重要

 前出のAfriMedicoの置き薬プロジェクトは、今年の5月からタンザニアの人口2500人ほどのブワマという村で始まった。しかし、村民のうち正しい薬の知識を持っている者はまだ限られており、医療の教育がとても重要だということに気づく。

 同NPOのミッションに強く共感して参加した理事の青木基浩さんは次のように説明する。

「安全性の観点からの、各家庭に多くの種類・量の薬剤を置くこともいますぐには難しい状況です。そのため、私たちは置き薬を展開する上で、各家庭への薬剤補充・代金回収・医療教育・情報発信を担うことができる拠点が必要だと考えています」

 「村に一つ、こういった拠点<置き薬ステーション>があり、薬の使用法を含めた医療教育を発信する現地管理人が常駐することで、よりきめ細やかなサービスを住民に提供することが可能となります。私たちはこのような役割をもつ拠点を通じて、ブワマ村のすべての人に薬を届けることを目指しています」

 安全に薬を服用できる知識を持ち、セキュリティ面が確保できる環境があり、薬を家に置くことに抵抗を感じない家庭では、同時に「置き薬」を設置していくが、まずは地域での啓蒙と安全な薬の供給体制の確立が先決なのだ。

「その推進役となる置き薬ステーションを立ち上げるためには、最低200万円が必要で、この資金を12月22日までにクラウドファンディングで集めたいと考えています。心ある皆様のご支援をお願いいたします」と青木さん。ご支援はこちらから。

 日本の伝統的な「富山の置き薬」(配置薬)の仕組みを、熱い情熱を持ってアフリカに広める取り組みが評価され、9月にはAfriMedicoの活動が「東京商工会議所奨励賞」、「まちづくり地球市民財団奨励賞」の2つの賞を受賞した。

 最新鋭の画像診断システムでもなく、がん専門病院でもないきわめてベーシックな医療支援。かつて日本の多くの家庭が経験してきた健康管理の方策が国際医療支援の新たな立役者になりえるか注目したいところだ。
(文=編集部)

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