若い時期から「休肝日」の習慣を
「休肝日」とは文字どおり、肝臓を休ませてあげる推奨日であり、理想的には週3日、それが無理ならば週2日でも設ければ、心臓疾患や循環器疾患による死亡リスクは軽減できるとされている。
愛酒党のなかには「死ぬまで休むことないのが肝臓の宿命、酒を控えて暴食すれば『休肝日』どころか逆効果なわけだし、飲もうが飲むまいが大差ないよ」的な詭弁を口になさる向きもおられるが、どうだろうか。
2日間(48時間)連続で酒断ちすれば、体内のアルコール分はほぼ100%分解されるといわれる。一方、昨年1月に公表されたコペンハーゲン大学病院(デンマーク)の研究報告によれば、アルコール性肝硬変の発症リスクは「過去の飲酒量」よりも「最近の飲酒量」のほうが高い関連性を示唆している。
男性患者同士の比較検証の結果、毎日の飲酒習慣を持つ人々の場合、週2~4回の頻度で嗜む人々の3.65倍の発症リスクを算出した。加えて、40代・50代を迎えてからの最近の飲酒量は高い関連性を示したが、もっと若い20代・30代の時期の飲酒量はとくに関連性を認められなかった。
だが、この結果を「若い時期は無茶も効くらしい」と解釈するのは早計だ。過去の飲酒量が高リスクに関連しないという傾向は、そのぶん早い時期よりアルコール依存症からの脱出を計る治療に有益である――そう考えるのが専門筋の知見というものだ。
さて、あなたは若い時期から48時間の休肝日習慣はつけられるだろうか? 「もう四十路を過ぎたから関係ないし……」というのもNG。四十路・五十路の愛酒党こそ、今夜、明日から酒を抜いてみよう。
(文=編集部)