連載「“国民病”腰痛の8割以上はなぜ治らないのか」第21回

股関節が硬くて「腰痛」に~「かがむ」と「しゃがむ」の違い、ハムストリングスのストレッチにヒント

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股関節を柔らかくするハムストリングスのストレッチ

 では、股関節が硬い人は何が原因だろうか?

 股関節の周りには、たくさんの筋肉がついている。その中で股関節を曲げるのに関わっているのは、「ハムストリングス」と呼ばれる太ももの裏の大きな筋肉だ。

 たとえば、立った状態から膝を伸ばしたまま、手先を足の指につけようとしてみてほしい。ハムストリングスが硬い人は、手が足の指につかないで、太ももの裏が突っ張るはずだ。

 そして、その姿勢を鏡で見ると、股関節が曲がっておらず、その分、腰が丸く曲がっているに違いない。ではここで、股関節が硬くなってしまう最大の原因であるハムストリングスのストレッチ方法を紹介しょう。
 
①椅子に背筋を伸ばして座る。
②そのまま体を前に持って行き、足首を両手で掴む。
③足首を掴んだまま、お尻をゆっくりと椅子から離す(この時点では膝は曲がっていて構わない)。
④足首を掴んだまま膝を伸ばす。この時に太ももの裏のハムストリングスが伸びる。
⑤膝がそれ以上伸びない状態で15秒ほど数え、その後ゆっくりと膝を曲げて椅子に座る。
⑥これを3セット、できたら1日に2〜3回、時間をずらして行う。

 ハムストリングスが今よりも柔らかくなれば、股関節がもっと使えるようになり、それは腰部の負担を減らし、腰痛を改善できる手助けになるかもしれない。「しゃがむ」動作が苦手で腰痛がある人は、ぜひ今日から<股関節>を意識してみよう。


 
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三木貴弘(みき・たかひろ)

理学療法士。日本で数年勤務した後、豪・Curtin大学に留学。オーストラリアで最新の理学療法を学ぶ。2014年に帰国。現在は、医療機関(札幌市)にて理学療法士として勤務。一般の人に対して、正しい医療知識をわかりやすく伝えるために執筆活動にも力を入れている。お問い合わせ、執筆依頼はcontact.mikitaka@gmail.comまで。

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